ASPとは? 予約管理システムにASPを使う場合の費用相場や選び方を解説
「店舗の予約管理にASPが便利と聞いたが、詳しく分からない」「ASPの特徴やメリットについて知りたい」と思っているサロン経営者や美容室オーナーの方は多いのではないでしょうか。
本記事では、ASPの概要や予約管理システムの種類について確認した後、ASPのメリット・デメリット、導入費用相場、サービスの選び方などを解説します。予約管理を効率的に行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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予約管理システムの一つ「ASP」とは?
ASPとは「Application Service provider」の略であり、インターネットを通じてユーザーが利用できるツールやサービスを提供している企業のことです。
似ている用語として「クラウド」や「SaaS」がありますが、厳密には異なるため注意してください。
- ASP:インターネットサービスの提供事業者やサービスそのもの
- クラウド:ASPを提供するための技術
- SaaS:クラウドで提供されるソフトウェアサービス
3種類の予約管理システムを確認
ASPを使った予約管理システムのほか、「ポータルサイト型」「オンプレミス型」のシステムが存在します。
3つのシステムについてそれぞれの特徴を解説しますので、違いを確認しておきましょう。
ポータルサイト型
ポータルサイト型で有名なサービスとして、ホットペッパービューティーなどがあります。お店の情報を広告として掲載するシステムで、掲載するための審査を終えたあと、掲載料を支払わなければなりません。
会員制サイトの一部のスペースを借りる仕組みとなっており、集客面においては、競合他社といかに差別化して自店舗の強みをアピールするかが重要です。そのため、多くのユーザーへアプローチできる反面、差別化するのが難しく、運営コストばかりかかってしまうケースもあります。
また、ポータルサイトは初回限定クーポンが多く配布されており、クーポンを求めてサイトを利用するお客様が多いことから、次回以降のリピートに繋がりにくいのが特徴です。
ポータルサイトはよく聞くね
オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社開発したソフトやツールを運用する方法です。初期費用や開発のための費用は高くなりますが、店舗のスタイルに合わせて自由にデザインや機能をカスタマイズできるといった特徴があります。
ただし、自社開発したソフトは作成して終わりではなく、常に保守・メンテナンスを行いアップデートしていかなければなりません。全てのメンテナンス業務を自社で行う場合、高度な技術が必要になるだけでなく、運用コストが高くなることがデメリットといえます。
- POINT
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- 開発費はかかるがカスタマイズができる。
- その後もメンテナンスが必要。
ASP型
ASP型は、先ほども紹介したようにASPが既存のソフトやアプリケーションを提供しており、インターネット環境があればサービスを利用できます。
ポータルサイト型とオンプレミス型の良さを掛け合わせたシステムであり、自社に開発技術がなくても、便利な予約サービスを利用可能です。
ASPにはさまざまな種類があり、予約サービスのほか、動画編集や画像加工など、インターネット上で行うあらゆる作業を効率化できるサービスが存在します。
とても便利だね
ASP導入のメリット
主なメリットとして、次の3点が挙げられます。
- 運用コストを抑えられる
- 常に最新のシステムを使える
- サポートによりトラブルを軽減できる
1つずつ解説しますので、内容を確認しましょう。
運用コストを抑えられる
自社でシステムを開発する場合、開発のための人手や費用が必要なだけでなく、運用していく中でメンテナンスを行うためのコストが発生します。しかし、ASPを使えば複雑な設定や手続きをする必要がないため、運用コストを抑えて簡単にサービスを導入できます。
また、ASPはインターネット環境があれば利用できることから、24時間いつでも予約に対応できます。そのため、予約業務にかかるコストを抑えやすくなるでしょう。
- POINT
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- 自社での開発が不要なためコストを抑えられる。
常に最新のシステムを使える
サービスのメンテナンスはASP側で定期的に行われるため、使用料金や手数料を支払うだけで、常に最新のシステムを利用できます。契約したその日からシステムを導入できるため、複雑な設定は必要ありません。
また、集客機能やポイント機能など、自社開発では実現にコストがかかる最新の機能をいち早く使えるため、集客力アップにおいて効果的です。来店数を増やすことで、売上アップにも繋がるでしょう。
最新の機能をすぐに使えますよ
サポートによりトラブルを軽減できる
ASPは多くの利用者がいることを前提としているため、サポート対応やFAQサービスが充実している場合が多くあります。
導入時にサポートを受けられるサービスもあるため、初めて予約管理システムを導入する場合でも安心して利用できるでしょう。また、運用していく中で分からない点がある場合も問い合わせ対応しているケースが多いため、負担を軽減できることは大きなメリットです。
- POINT
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- 充実したサポート環境があるので安心。
ASP導入のデメリット
メリットだけでなくデメリットも存在するため、事前に理解しておくことが大切です。主なデメリットとして、次の3点があります。
- システムの操作に慣れる必要がある
- 固定費が発生する
- カスタマイズ性が低い
1つずつ解説します。
システムの操作に慣れる必要がある
ASP型に限った話ではありませんが、インターネットを通じてサービスを利用する際は、システムの操作に慣れる必要があります。
せっかく便利なサービスを導入しても、それを使いこなせる人材がいなければコストばかりかかってしまいます。初期設定や登録方法について確認しておき、スマホやパソコンからの操作方法を覚えられるようにしましょう。
とはいえ、ASPは比較的簡単な操作で使えるものが多いため、マニュアルを参考に設定を進めてみてください。
マニュアルをしっかり読まないとね
固定費が発生する
無料で使えるサービスも存在しますが、集客機能や顧客分析機能など、便利な機能を使いたい場合は初期費用のほかに月額費用などの固定費が発生することを押さえておきましょう。
ポータルサイトや自社開発したサイトよりもランニングコストを抑えられるとはいえ、ある程度の運用コストは必要です。
- POINT
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- 使う機能に応じて月額の固定費がかかる。
カスタマイズ性が低い
既存のサービスを利用するため、どうしてもデザインや機能のカスタマイズ性が低くなってしまう点はデメリットといえます。
カスタマイズはしない前提で作られているため、利用者の都合に合わせてサービス内容を変更することは、基本的にできないと考えて良いでしょう。とはいえ、個別対応がない分、安く利用できるのがASPの特徴ともいえます。
カスタマイズ必要かなあ
ASPの導入費用相場はどのくらい?
ASPは、無料で使えるものから有料のものまで、さまざまな種類があります。
導入費用の目安としては、初期費用で50,000〜100,000円ほどのケースが多いようです。とはいえ、申し込み期間やプランによって異なるため、詳しくは各社の料金をご覧ください。
また、別途月額費用が発生する場合、目安として月々5,000〜20,000円程度のサービスが多くなっています。
目的を整理して、使いたい機能について調べてみましょう
ASPを含む予約システムの選び方
サロンや美容室などの予約システムを選ぶ際は、次の5つのポイントを意識して選びましょう。
- 自社の業種との相性
- 顧客管理機能の有無
- 決済機能の有無
- 対応デバイスの多さ
- デザインの自由度
予約システムの中には、幅広い業種の予約業務に適しているものだけでなく、ある特定の分野のみに特化したサービスも存在します。自店舗の業種・業態にあったものを選ぶことで強みを最大限活かせるため、よく検討した上で導入しましょう。
顧客管理機能や決済機能などについても、必要かどうか事前に確認し、適したASPを選ぶことがポイントです。
対応デバイスについては、できる限り多いほうがユーザーにとっての利便性を高められます。また、デザインの自由度が高ければサロンコンセプトに合わせやすいため、チェックしておきましょう。
店舗と合わないシステムを導入すると、かえって予約業務が混乱したり、思いがけないトラブルが発生したりする可能性があります。そのため、必要な機能や規模の大きさを考え、自店舗と相性の良いサービスを導入することが大切です。
目的や優先順位を決めておかないとね
まとめ
本記事では、ASPの概要や予約システムの主な種類、ASPのメリット・デメリットなどについて解説しました。また、導入費用の相場やサービスの選び方も紹介しましたので、実際の導入の参考にしてください。
ASPに限らず、店舗経営において予約システムを導入することで、業務の効率アップや予約数の増加による売上アップなど、さまざまな効果が期待できます。店舗に合ったサービスを探し、上手く活用していけるようにしましょう。