美容室経営でのクレーム対応と改善ポイント!パターンと理由を解説
できれば避けたい美容室のクレームですが、接客業である以上そうもいかないのが現状です。美容師の不注意によるクレームだけではなく「お客様とイメージ共有が上手くできていない」といった、コミュニケーション不足が原因の場合もあります。この記事ではよくあるクレームのパターン、対応の仕方や改善のポイントなどを紹介しています。お客様の持ちものを汚損してしまったときやケガをさせてしまったケースで、保険を使う際に必要なものにも触れていますので、ぜひ最後までお読みください。
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美容室経営のクレームのパターン
美容室でのクレームのパターンはさまざまですが、以下にいくつか例を挙げてみます。
- 美容室のクレームパターン
-
- 施術に納得していない
- 美容師の接客態度が悪い
- 予約していたのに長時間待たされた
- 終了時刻が予定より遅かった
- カラー剤で服を汚された
- ケガをさせられた)
…etc
「思っていたより髪を短くされた」「カラーが思っていた色ではなかった」「パーマのかかり具合に不満がある」といった、施術に納得していないパターンはよくあるクレームです。そのほか美容師の接客を雑だと感じたり、スタッフ同士の私語が丸聞こえだったりした場合にもクレームが入ることがあります。
また予約していたのに長時間待たされたり、予定していた終了時刻を大幅に過ぎたりされたお客様は「貴重な時間を無駄にした」と不快な気分になるでしょう。
カラー剤がお客様の服に付いて、汚してしまった場合も当然クレームになります。美容師はカラー剤で自分の服が汚れるのは日常茶飯事なので感覚がマヒしがちですが、お客様からしたらお気に入りの服に少しでもシミを付けられるのはショックな出来事です。
そして美容師がもっとも恐れているのはお客様にケガをさせてしまうことです。とくに耳や首周りのカットをしているときに、誤って皮膚まで切ってしまった…という経験のある美容師もいるでしょう。
どれも起こりそう
なぜクレームになってしまうのか?
お客様が不快に思えばクレームになりますが、原因を突き詰めてみると次のようなことが挙げられます。
- クレームの要因
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- カウンセリング・コミュニケーション不足
- 技術不足
- 美容師の気の緩み・注意力の低下
- スケジューリングの甘さ
- 人手不足
【カウンセリング・コミュニケーション不足】
お客様が「仕上がりに納得していない」のは、施術前のカウンセリングが不十分だったと考えられます。たとえばお客様に「首元がスッキリとした前下がりボブにしてほしい」と伝えられ、美容師は「それでは前はこの長さで、首元はここまで切ってスッキリさせますね」と合意のもと切ったとします。しかしお客様が想像していたのは「ワンレンの前下りボブ」だったのに対し、美容師が切ったのは「グラデーションの前下りボブ」だった場合はクレームになるでしょう。
またお客様が希望するヘアスタイルと口頭で説明しているヘアスタイルが一致しなかったり、難しい要望だったりすることは良くあります。カウンセリングの時点で仕上がりはどうなるのかをお客様へ丁寧に説明し、明確なイメージを共有することが大切です。しかしイメージを共有できていても、技術不足のせいで再現できなければクレームになります。
- POINT
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- お客様への説明は、写真や雑誌などを使ってイメージを共有する。
【美容師の気の緩み・注意力の低下】
接客態度などでクレームが入った場合は、美容師の気の緩みや注意力の低下が原因でしょう。お客様は大切な時間を割いて、わざわざ美容室に来てくれているのを忘れてはいけません。
どの仕事でもいけませんね
【スケジューリングの甘さ・人手不足】
「予約したのに待ち時間が長い」「予定よりも終わるのが遅かった」といったクレームは、予約のとり方や施術工程を考え直す必要があるでしょう。お客様の数に対して美容師が足りているかも重要です。「前のお客様が長引いた」といった理由もあるでしょうが、予約していたお客様には関係のないことです。
そのほかメニュー単価が高いほど、お客様が満足するハードルも上がります。「これだけお金を払っているのに」と思ってしまうのは、仕方のないことです。
- POINT
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- スタッフの数やオペレーションなど運営方法の改善も行っていく。
注意! クレームになった時の対応
じゅうぶん気をつけていても、クレームになってしまうことはあります。スタッフだけで対処するのではなく、必ずオーナーも一緒に対応しましょう。
まず最後までお客様の話(クレーム)を聞いてから、真摯な態度で謝るようにしましょう。「自分には関係ない」と思わず、お客様としっかりと向き合い話を聞くことが大切です。当然、クレームが入ったスタッフ本人もお客様へ真摯に謝罪しましょう。
ときには言い返したくなるようなクレームもあるでしょうが、不快な思いをさせたことに対しての謝罪はきちんとしましょう。言い返してもお客様は納得するどころか、火に油を注ぐ結果となり美容室全体の空気が悪くなります。ほかのお客様も見ていることを意識しましょう。
施術に対するクレームならば、修正を提案します。接客態度のクレームは、美容師本人がお客様に不快な思いをさせたことを謝り、さらにオーナーが「改善に向けて指導する」旨をお客様へ伝えるとお客様も納得するでしょう。
お客様の服を汚してしまった場合は、クリーニングや弁償といった対応になりますがその場で勝手な口約束をするのは危険です。「弁償する」と約束したものの、もう手に入らない品で弁償が不可能なケースもあります。保険を使う場合は、保険会社へ提出する必要がある以下の準備をしておきましょう。
- お客様の連絡先
- クリーニングや弁償した際の領収書
- 汚した服の全体写真
- 汚した部分の写真
- 服のメーカータグなどの写真
お客様にケガをさせてしまった場合は、速やかに応急処置をします。ケガの具合によっては最寄りの病院へ行きますが、その際はできるだけオーナーが同行しましょう。診断書や領収書は保険会社へ提出する必要があるため、必ず発行してもらいます。
「トラブルが起きたときのマニュアルを作成し、共有しておくことでスムーズな対応ができます。明らかな言いがかりを毎度繰り返したり、迷惑行為に及んだりする問題のあるお客様(クレーマー)」には、違った対処法を考えておくことも大切です。
マニュアルがあると安心だね
クレームされないための改善ポイント
もしクレームが入った場合には、二度と繰り返さないように改善案をスタッフ間で共有しましょう。またクレームにならないように、日頃から気をつけておくポイントを例としていくつか挙げておきます。
- 毎回カウンセリングを丁寧にする
- スタッフの技術をみがく
- 定期的に接客方法のミーティングをする
- 予約のとり方は適切か見直す
- タオルやカラークロス、シャンプークロスが汚れていないか、使う前にかならず確認する
「お客様に不快な思いをさせない」を1番に考えましょう。さらに日頃からお客様との関係を良好に保つことも、クレームを防ぐ方法の1つです。クレームになる前にコミュニケーションの中で気付き、改善ができるからです。
そのほか、スタッフがちゃんと休憩が取れているかも見直しましょう。疲れていると注意力が低下し、うっかりミスをしてしまう原因にもなります。また万が一に備えて賠償責任保険に加入しておくことが大切です。
防ぐ方法や対処の仕方など、準備しておきましょう。
まとめ
美容室へのクレームのパターンは多種多様です。しかし注意しておけば防げるクレームも多く、日頃から「お客様を不快にさせないための行動」を心がけましょう。もしクレームになってしまった場合は、しっかりとお客様の話を聞き心から謝罪する姿勢が大切です。お客様の持ちものを汚損してしまったり、ケガをさせてしまったりしたときは速やかに対応できるようにしておきます。賠償責任保険への加入もしておきましょう。