美容室やサロンで売上台帳は必要? 作り方や注意点を徹底解説
美容室やサロンの売上を記録・管理する方法の一つに、売上台帳が挙げられます。とはいえ、必要性や作り方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、売上台帳の役割やメリット、作り方、作る際の注意点などをまとめました。売上台帳を経営に活かしていきたい方は、ぜひ記事を参考にしてください。
売上台帳って何?
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売上台帳とは?
売上台帳とは、事業の取引による売上を記録する帳簿を指します。その日の日付や売上金額、内容などを記入し、店舗の売上を把握できるようにします。
美容室やサロンなどにおいても、メニューごとに売上を管理することで仕入れや人手を調節でき、効率的に経営を進めやすくなるでしょう。また、確定申告や補助金の申請にも必要になります。
現金出納帳と混同している場合もあるかもしれませんが、それぞれ異なります。現金出納帳は現金のみの取引を記帳するのに対し、売上台帳ではキャッシュレス決済を含めた全ての売上を管理します。
キャッシュフローを把握するためにも現金出納帳は必要になるため、両方の帳簿をつけておくことがポイントです。
売上台帳のメリット
ここでは、売上台帳のメリットについて次の3つを紹介します。
- 経営を可視化できる
- 確定申告が楽になる
- 補助金の申請がスムーズになる
一つずつ確認していきましょう。
経営を可視化できる
上述のように、売上台帳では店舗の売上情報を管理するため、経営を可視化できます。
売上から分かる顧客情報(性別や年齢など)をもとに、傾向を分析して新たな経営戦略の策定を行うことが可能です。また、サロンの繁忙期や閑散期を把握できるため、売上が低い月の対策を考えることもできるでしょう。
日々しっかりと売上を記帳しておくことで、長期的に収支を把握できるようになります。サロンの経営を安定させ、継続していくためには、売上台帳の作成がポイントです。
- POINT
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- 売上台帳に継続して記録することで、収支を把握し経営の戦略を立てることもできる
確定申告が楽になる
事業を行っている以上、毎年確定申告をする必要があります。そこで売上額を使用して所得や所得税を算出するため、売上台帳が役立ちます。
正しい売上額をこまめに記帳しておくと、確定申告の時期に焦って年度分の売上を計算することなく、手続きを進められるでしょう。
また、確定申告をするのであれば、台帳を7年間保存しておかなければなりません。台帳の保存については後述にて詳しく解説しますので、併せてご覧ください。
- POINT
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- 確定申告を行う場合は、台帳を7年間保存しておく必要がある
補助金の申請がスムーズになる
コロナ禍で多く耳にするようになった補助金や給付金ですが、それらの支給を申請するためには売上や売上の減少が分かる書類が必要です。
そこで、過去の売上を記帳しておけば、遡って計算し直したり新たに書類を作成したりせずに済むため、補助金の申請がスムーズになるでしょう。
店舗ビジネスを展開するうえで、営業時間の短縮などにより売上が減少してしまうケースは多いといえます。そのため、いざという時に必要になる場合があると考え、正確な台帳を作成しておくと良いでしょう。
売上台帳の作り方
ここからは、売上台帳の作り方について、「作成する手段」と「記入すべき項目」の2つに分けて解説していきます。
明確に決められた作り方や書式はありませんが、最低限押さえておきたいポイントとしてご活用ください。
何で作成するかを決める
フォーマットは決められていませんが、まずは何で作成するかを決める必要があります。
代表的な手段として、次の4つが挙げられます。
- 手書き
- 表計算ソフト
- 会計ソフト
- POSレジアプリ
それぞれの特徴について理解し、作成方法を考えてみましょう。
いろんなやり方があるのね。
手書き
1つ目に挙げられるのは、ノートなどに売上を記入していく手書きによる作成方法です。
パソコン操作やソフトなどの導入が必要ないため、パソコンを持っていない人や苦手な人でも対応できることがメリットといえます。また、最終的に紙で保存する必要があるため、データを無くすことなくそのまま保管できるのも特徴です。
市販で売られている売上台帳専用のノートを購入したり、インターネット上に公開されているテンプレートをダウンロードし、印刷して使用したりすることもおすすめです。
- POINT
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- 市販の専用ノートやネット上のテンプレートを使えば手軽に始めることができる。
表計算ソフト
2つ目に、エクセルなどの表計算ソフトを使うことが挙げられます。
表計算ソフトを仕事で扱う人は多く、またパソコン初心者でも比較的簡単に操作しやすいため、記入しやすいことが特徴です。また、売上台帳のテンプレートが公開されていることもあるため、何を記入すべきか分からない場合にも役立つでしょう。
注意点として、最終的には紙で保存する必要があるため、印刷が終了するまでデータを保管しておかなければなりません。
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- 初心者でも慣れた環境で操作しやすい。別途紙での保管も必要。
会計ソフト
3つ目に挙げられるのは、会計ソフトによる作成方法です。
必要な項目を入力すれば自動的に売上台帳が作成されていくものが多いため、計算ミスや記入漏れを防ぎやすくなるでしょう。
また、売上台帳だけでなく確定申告や普段の取引に必要な書類を作成できるソフトもあるため、経営を効率化させる上でも役立てることが可能です。
無料で使えるソフトも多いため、自社に合ったものを探してみましょう。
- POINT
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- 指定の箇所に入力すると自動的に算出してくれるので便利。効率化にも役立つ。
POSレジアプリ
4つ目に、POSレジアプリによる作成方法が挙げられます。
POSレジとは、商品がレジを通った時点でのさまざまな情報を集計するシステムのことであり、売上情報のほか、顧客情報もまとめて管理できます。また、備品の在庫や従業員の勤怠について管理できるアプリもあるため、人件費の削減にも繋がるでしょう。
POSレジアプリの代表的なサービスとして、無料で利用できる「Square POSレジ」や「Airレジ」、美容サロンの経営に特化した「Uレジ BEAUTY」などが挙げられます。
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- 顧客や売上の情報を集計し管理してくれる。手間も省けるため効率化も図れる。
必要な項目を記入する
売上台帳で記入する情報で決まったものがありませんが、基本情報として次のような情報が必要になるでしょう。
- 取引の日付
- 客数・数量
- 売上金額
- サービス内容
- 支払い方法
- 売上合計 など
あくまで例ですが、作成時のポイントとして押さえておくようにしてください。また、他に必要な項目があれば記録しておきましょう。
これだけは、記録しておかないとね。
売上台帳を作る際の注意点
最後に、売上台帳を実際に作る際の注意点について解説します。作成時の注意点として挙げられるのは、次の2つです。
- 正しく定期的に台帳をつける
- 売上台帳の保存期間を守る
まずは、店舗で出た売上金額や内容について、正しく記入しなければなりません。経営戦略だけでなく、確定申告時の納税額の計算や、補助金受け取りの際に正確な売上情報が必要です。
定期的に台帳をつけることを意識し、記入漏れや記入間違いがないかを確認してください。売上が発生しなかった月については、後から見返した際に分かりやすいように、無記入ではなく売上がなかったことを記載すると良いでしょう。
また、売上台帳は会社法で10年、税法で7年の保存期間が定められているため、規定の期間は保存しておく必要があります。紙で保存しなければならないため、パソコンやアプリなどのデータ上に保管している場合は、データが破損したり失ったりしてしまう前に紙に印刷しておきましょう。
- POINT
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- 売上台帳は定められた保存期間がある。また、紙で保存しなければならない。
まとめ
今回は、美容室やサロンにおける売上台帳の重要性やメリット、作り方、注意点などを紹介しました。
売上台帳は経営の管理だけでなく、確定申告などの手続きをスムーズに進めるためにも欠かせないため、しっかりと正確な売上を記入するようにしましょう。
また、自動会計ソフトやPOSレジアプリなどのツールを活用することで効率的に売上を管理しやすくなるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。