エステティシャンが個人事業主になるためには? メリット・デメリットも解説
個人でエステサロンを開業する人は多く、自分も独立したいと考える方もいるのではないでしょうか。
本記事では、個人事業主の概要について確認したのち、エステティシャンが開業するための流れや独立のメリット・デメリット、失敗しないためのポイントなどを解説します。
現在サロン勤務で将来的に開業を検討している方は、ぜひ記事を参考にしてください。
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個人事業主とは?
個人事業主は、「自営業」とも呼ばれており、会社を作らずに個人で事業を行う人のことを指します。開業届を提出すると誰でもなることができ、事業を始めるための費用は必要ありません。
エステティシャンとして開業する場合、主に屋号を使って事業名や店舗名を決定し、経営を進めていくことになるでしょう。また、屋号を決めるとその名前で銀行口座を開設できます。
独立の際は、個人事業主か法人のいずれかを選択することになります。
両者の大きな違いは、所得税の税率や経費の扱い方、設立に必要な費用、社会的信用などが挙げられます。また、開業方法や健康保険の制度、経理に必要な作業などが異なり、法人のほうがやるべき業務が多いことが特徴です。
- POINT
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- 開業届を提出すると個人事業主になれる。
- 屋号で銀行口座も開設可能。
- 法人になる場合はやるべき業務も多くなる。
個人事業主として開業するための流れ
エステティシャンが独立するためには、次のような流れで開業します。
- コンセプトを決める
- 開業方法を決める
- 事業計画書を作成する
- メニューを作成する
- 必要なものをリストアップする
- 資金を用意する
- 集客方法について考える
- 開業届を提出する
それぞれの手順について、確認しましょう。
コンセプトを決める
まずは、店舗やサービスの提供価値、考え方などのコンセプトを策定していきます。コンセプトは経営における基盤となるため、必ず決めておきましょう。
例としては、「サロンを開く理由」「こだわりや他者との違い」「大切にしていること」「誰のためのサービスなのか」などについて考えることがポイントです。
書いてみるといいね
開業方法を決める
続いて、どのような形態で店舗を開業するか決めていきます。
主な例として、次の5種類が挙げられます。
- 自宅サロン
- マンションの一室
- 出張サロン
- レンタルサロン
- テナント
それぞれ特徴が異なりますが、初めて独立する際は固定費を抑えられるものを選ぶことで、赤字リスクを抑えられます。
ただし、物件を借りることで集客面において優れている場所に出店できる可能性もあるため、資金計画や集客計画と同時に検討することが欠かせません。
- POINT
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- 固定費を抑えるか、集客を重視するか、目的に合った店舗形態を選ぶ。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、どのように店舗を経営していくかを示した事業プランのことです。具体的な数値を算出し、実際の経営のシュミレーションを行いましょう。
また、事業計画書は一度作成したら放置するのではなく、売上や予算をもとに実際の結果を分析し、軌道修正していくことが欠かせません。
融資を受ける場合には必ず必要になるため、具体的な数字に落とし込んで作成することがポイントです。
数字にすると具体的になっていいね
メニューを作成する
コンセプトをもとに、店舗でどのような施術やサービスを提供するのかといったメニューを作成しましょう。
メニュー内容によって導入すべき機材が異なるため、初期費用にも影響を与えます。
初めて開業する際は、初期費用を抑えてリスクを低くできるように、高額な機材を必要としないメニューを取り入れることも方法の一つです。
- POINT
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- メニューの内容から必要なコストを予測し、計画を立てる。
必要なものをリストアップする
開業にあたり、必要なものをリストアップして用意しましょう。
サロン経営に最低限必要なものとしては、次の5つが挙げられます。
- 施術場所
- エステ機器
- 備品・消耗品
- 内装
- 広告費
これらのような物に加えて、税務署に提出する「開業届」や「青色申告承認申請書」を用意し、必要に応じて資格を取得したり保健所へ申請したりすることが必要です。
どれぐらいお金がいるのかな?
資金を用意する
サロンの経営内容が決まったら、必要な資金を用意しましょう。
店舗の業態や雇用するスタッフの人数、取り扱う機器などによって必要資金が変動するため、もし資金が足りない場合は、補助金や助成金、融資などを検討してください。
- 補助金:国や地方公共団体からの資金(審査あり・原則後払い)
- 助成金:国や地方公共団体からの資金(返済の必要なし)
- 融資:金融機関から調達できる資金
集客方法について考える
ただ出店するだけではお客様に来店してもらうことは難しいため、集客方法について考える必要があります。
昨今はインターネットの普及によりオンライン集客が主流になりつつありますが、オフライン施策も効果的な集客方法の一つです。
ターゲット層に合わせて集客方法をうまく使い分け、効率的に店舗へ来店してくれるお客様を増やすことが欠かせません。
ターゲットに向けて効果的な集客をしましょう
開業届を提出する
ここまでオープン準備を進められたら、税務署に開業届を提出しましょう。
提出したら、その日から個人事業主を名乗ることができます。
期限を遅れるとペナルティが発生するというわけではありませんが、原則として事業開始から1ヶ月以内に提出することが決められています。
これで今日からフリーランスね
エステティシャンが個人事業主になるメリット
主なメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 収入アップを狙える
- 自由度が高くなる
- ライフスタイルに合わせて働ける
それぞれ解説しますので、今後の働き方について検討してみてください。
収入アップを狙える
1つ目に、どこかの店舗に勤務しているよりも、収入アップを狙えることが挙げられます。
雇われて働く場合は、基本的に決められた固定給を毎月受け取ることが多いでしょう。
しかし、個人の場合は自分の頑張り(労働量)に応じて報酬が発生するため、たくさん予約を受けて回転率を高めることで、収入アップが期待できます。
もし今の勤務先で「もっと稼ぎたい」「このまま続けていても給料が上がらなそう」と悩んでいる場合は、独立することで頑張りに見合った収入を得やすくなるでしょう。
- POINT
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- 頑張りや効率次第で収入アップにつながる。
自由度が高くなる
2つ目に、始業時間や終業時間などの縛りがなくなるため、生活の自由度が高くなることが挙げられます。
雇われている場合は、決められた時間で働かなけらばならなかったり、お店の方針に合わせてサロンを作っていかなければならなかったりすることが大半です。
しかし、独立することで自分が理想とするサロンを作っていくことができます。そのため、個人であることを活かした細やかなサービスを提供し、より高い顧客満足度に繋げられるかもしれません。
- POINT
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- スケジュールやサービスを柔軟に決めることができる。
ライフスタイルに合わせて働ける
3つ目に、ライフスタイルに合わせて働けることがメリットです。
前述のように、店舗に勤務している場合は決められた時間に出勤しなければならないため、どうしてもプライベートの時間を確保しにくいことが特徴です。また、出産や結婚などのライフスタイルの変化により、これまでと同じように働くことが難しくなる場合もあるでしょう。
個人で独立すると、そのような縛りがないため、ライフスタイルに合わせて稼働量を調節できることが魅力です。
注意点として、稼働量がそのまま収入に直結するため、自由である反面、計画的に仕事をしていかなければ収入を得にくいともいえます。
- POINT
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- ライフスタイルを重視した働き方ができる。
エステティシャンが個人事業主になるデメリット
反対に、デメリットとして次の2つがあります。
- 収入が不安定である
- 全ての業務を自分でやる必要がある
それぞれ解説しますので、対処法と合わせて確認しましょう。
収入が不安定である
個人事業主は自由である反面、自分が働いた分だけが収入に繋がります。そのため、思うように集客が上手くいかずお客様を集められなかった場合、収入が途絶えてしまう可能性もあります。
雇われていた時のように給与の保証はないため、軌道に載せられるまでは収入が不安定になることを覚悟しておきましょう。
対処法としては、資金に余裕を持っておくことと、開店に合わせて効果的な集客施策を考えることがポイントです。
- POINT
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- 資金に余裕を持ち、集客活動をし続ける。
全ての業務を自分でやる必要がある
これまでは施術業務に集中していれば良かったかもしれませんが、独立した場合、全ての業務を自分でやらなければなりません。
具体例としては、開業準備や手続き、集客活動、お客様対応、経理などさまざまなものがあります。
これらを1人で行う必要があり、雇われていた時よりも業務の負担と責任が生じます。スタッフを雇う方法もありますが、給与を支払わなければならず、さらに責任が発生するでしょう。
そのため、独立するということに対して覚悟を持つ必要があります。
責任もやることも増えるから、覚悟が必要だね
まとめ
今回は、エステティシャンが個人事業主になるための流れやメリット・デメリットなどを紹介しました。
独立すると自由に経営を進めていけたり、頑張りに応じて収入アップを狙えたりすることが強みです。しかし、全て自分の責任となるため、より入念な準備と集客計画が欠かせません。
今回の内容を参考にして、個人事業主としての成功を目指しましょう!