美容室の求人や採用で人が集まらない理由とは?
美容室軒数は全国で25万件を突破!
美容師さんは53万人を超えました。
理美容サロン業界の実態
理美容サロン数 | 370,193 |
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美容所 | 251,140 |
理容所 | 119,053 |
従業理美容師数 | 751,844 |
美容師 | 533,814 |
理容師 | 218,030 |
さらに、美容免許を持っている方は平成26年度で125万人います。
美容免許を持っていても、子育てなどで仕事をしていない方、美容界からいなくなってしまった方など年度の誤差はありますが、ざっと72万人もいらっしゃいます。
それでも求人が集まらない、面接にもたどり着けない。
そう悩んでいる経営者の方や採用担当者の方はたくさんいらっしゃいます。
一方、募集したら求人がかかりすぎて採用を断らなければならないサロンもあります。
なぜこのような現象が起こるのか?
人が集まってくるサロン、求人をかけても人が来ないサロンの違いを解説していきます。
違いは何だろう?
給与面や条件面の改善
給料について
最初(アシスタント)、美容師の給料は安いということが世間一般に周知されてきています。
休みはないし、拘束時間も長い、練習しなければおいていかれてしまう。
一般の方々もみんな知るようになりました。
さらに、スタイリストになっても、堂々といくらもらっていると言えるスタイリストが少な過ぎます。
これは、サラリーマンや同世代の仲間の給料と比較して、恥ずかしくて言えない心理がはたらいています。
地域にもよりますが、給料の相場も変わってきています。
全国的な平均は、
・アシスタント・・・月給16~19万
・スタイリスト・・・月給23~28万
一昔よりも給与水準が上がってきていますね。
稼ぎたいスタイリストは、基本給以外に売上に対してのインセンティブも重要視しています。
給与の額面が多いに越したことはありませんが、お店の経済状況に合わせつつ、相場に近づけて行く事も必須になりました。
仕事の役割と賃金規定をもう一度見直さなければいけないのでしょうね。
インセンティブで稼ぐしかない
では、給料を多くもらっている美容師さんはどんな仕事をしているのでしょうか?
まずはリサーチしてみましょう。
次に仕事がしやすい環境が整っていることです。
安心して働ける環境とは、福利厚生面の内容に現れます。
それが、社会保険になります。
社会保険完備について
近年では、美容学生の就職活動中に学校から、「絶対に社会保険に加入している美容室に就職しなさい」と言われるそうです。
全ての学校ではありませんが、学校の立場からすれば離職率を少しでも下げたいのが当然です。
学校側の対応も理解できてしまう時代背景ですね。
保険制度の事もよく分かっていない学生からすると、言われるがままに社会保険完備のサロンからの選択となります。
この時点で、社会保険に加入していないサロンは除外されてしまいます。
当然、新卒の応募が来ることはありません。
同様に、国民年金か厚生年金かも言われてしまう時代になるのでしょうか?
美容室のほとんどが個人事業主である以上、いきなり法人化して社会保険完備とはいきません。
しかしながら、応募動機に社会保険を上回る内容のアピールをしていかなければ、あなたのサロンに興味を持っていただけなくなってしまいます。
売上や出店の事業計画は作るものの、人材を活かす事業内部の事業整備や計画に人材の採用計画や教育方法、教育スケジュール、ランクアップ・スキルアップなどの整備もしなくてはなりません。
サロンの考え方、環境を伝えることが必要ね
休日について
仕事は仕事、休みは休みと分別する方が増えたように思います。
それだけ限られた休みを有効に活用し、充実させたいとの思いからだと感じます。
これも時代の流れでしょうが、これまで隔週で週休2日制(月に6日休日)が当たり前。
今では完全週休2日制(月に8日休日)が主流になってきています。
- 定休日(月・火)店舗が完全週休二日制を導入
- 定休日(月)又は(火)+ 4日
- シフト制、8日休日
休日が月に8日ある美容室に求人が殺到するのも事実でしょう。
経営面では、休みを増やすのはかなり難しそうですが、月に4~6日休みで求人広告に期待するのは難しい時代となりました。
月の休日日数、有給休暇の提示や使い方など、休暇の取り扱いもきちんと提示しながら、従業員に案内していきます。
休日は大事にしたい
立地について
当然、都心部と郊外店では交通手段も違ってきます。
都心部では、駅名や駅から徒歩◯分、バスで○分と、働きたい場所やそこからの距離(歩く距離、バス停からの距離)も選考対象になってきます。
当然、利便性が良い場所の方が有利になりますよね。
一方、郊外店ではどうしても車通勤が必要な立地条件もあります。
この場合、駐車場の確保に関してスタッフの負担があるかどうか?
つまり有料なのか、無料なのか?
交通費の支給はどうなるのかによって選択されるか否かが変わってきます。
誰もが皆、働きに行くのにお金を使うのはちょっと・・・。
という心理が働くのでしょうね。
ここのポイント重要です。
こちらから確認するのも大事だね
シャンプー台や機材について
入店して最初の技術がシャンプーからと言うサロンがほとんどだと思いますが、設備によって技術内容や手順が違ってきます。
サイドシャンプー(従来の横に立って行う技術)のテクニックと、バックシャンプー(シャンプー設備の頭側に立って行う技術)のテクニックでは洗い方やテクニックの違いがあります。
新卒の場合、そのサロンでの技術を習得していかなければなりませんので問題ありませんが、中途採用の場合で、シャンプー設備が違っていたらシャンプーテクニックから覚え直さなくてはなりませんね。
ただ、これからの時代にはフルフラットのシャンプー設備がオススメです。サロン側も、スパメニューを充実させながら、お客様も楽な姿勢でいられるので評価がとても高いです。また、スタッフも座りながら出来るので、腰への負担が少なく、腰痛に悩まされることがありません。
さらには、サイドでもバックでもシャンプーが可能ですし、技術の幅が広がり、スパ技術も習得できます。シャンプー設備によって展開が多様化し、技術の幅が広がるのであればプラスのポイントになりますね。また、他の美容機材の有無によっても習得する知識・技術の幅が変わってきます。
お客様のスタイルを想像する上で引き出しはいっぱい持っていた方がよいでしょう。
(デジタルパーマ、エアウェーブ、パルッキー、高級ドライヤーなど)
- POINT
-
- フルフラットのシャンプー設備がオススメ
- 他の美容機材の有無によっても習得する知識・技術の幅が変わってくる
機材が揃っているとモチベーションも上がるね!
営業時間・拘束時間
美容師は働く時間が長い、拘束時間も長い。
これは今の美容界の常識です。
これでは求人は集まりませんよね。誰もが気づいています。でも、誰も改善しません。
従って、募集しても求人はありません。改善すれば、求人が来るかもしれません。
それを分かっていても誰も何もしないのです。ここに、求人のチャンスがありますよね。
どこをどう改善していきますか?
平均的な労働時間
下記は最近の平均的な労働時間・拘束時間になります。
営業時間 | 8~10時間 |
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拘束時間 | 10時間前後 |
現状でこれ以上の労働を強いている場合には改善が優先です。
スタッフが自ら進んで営業前後に練習をしている場合、これを止める必要はありませんが、半強制的に行っている場合には改善が必要と思われます。
帰りにくい雰囲気があるとつらい
最良のレッスン状況
近年では、営業時間中のレッスンをOKにし、先輩からの指導も受けられるサロンもあります。
出勤扱いで丸1日レッスン日を設定している。
など、今まででは考えられない好条件のサロンも増えてきています。
給料も保証されてレッスンにも集中できる好環境ですね
まとめ
美容師を志す若者が減ってきています。
美容室の数は増えているのに、美容師の数は減ってきている現状です。
これからの時代、もっと売り手市場(就活側が優位になる状況)が続くでしょう。
そのため、選ばれるサロンづくりをしていかないと見向きもされません。
それだけ厳しさが増してきます。
お客様の奪い合いもそうですが、優秀な人材の確保や、優秀な人材に育て上げる教育方法も必須となりました。良い条件の提示も必要ですが、その基盤づくりがしっかりしていないと絵に描いた餅になってしまいます。
従業員に利益を還元せず経営者が丸儲けするような仕組みのままだと従業員に見透かされ、人は去っていきます。最終的には、閉店なんてことに追い込まれるかもしれません。就業条件を今の時代に合わせ、従業員が働きやすい環境へと整備することで、従業員のモチベーションが上がり、スキルも上がっていくと思います。
あなたの美容室はいかがですか?
問題点を探し出し、出来るところから改善し、経営基盤を強固にしていきましょう。
それが、人が集まる美容室づくりの近道だと思います。