美容室のサブスク(定額制サービス)とは? 新しい美容室の通い方

サロンの椅子に座りウキウキした表情の女性

「定額で好きなだけ美容室に行く」といった新しい通い方が登場しています。月額(定額)制の美容室サブスクリプションサービスは、お客様だけでなく実は美容室側にも多数のメリットがあるのです。

この記事ではサブスクによる「美容室側・お客様側それぞれのメリット」や「サブスクを導入している美容室の探し方」を紹介しています。サブスクを導入してみたい美容室へ向けた注意点にも触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

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美容室のサブスク(定額制サービス)とは?

髪を施術している様子

サブスク(サブスクリプション)サービスとは月額(定額)を支払い、決められたサービスを”〜し放題”という形で利用できる会員制サービスです。動画・音楽配信サイトのサブスクは、利用している方も多いのではないでしょうか。以前は、主にデジタルコンテンツがサブスクの対象でした。しかしサブスクの範囲も日々拡大しており、実店舗でサービスを受けられるものが増えてきています。

美容室も例外ではなく、都心を中心にサブスクを導入する店舗が増えてきました。しかし月額(定額)を払えばなんでもやり放題なわけではなく、サブスク内でできるのは時短メニューに限られている美容室がほとんどです。

たとえば以下の時短メニューが挙げられます。

サブスクで施術可能なメニュー
  • 前髪カット
  • シャンプー・ブロー
  • トリートメント
  • 簡単なヘッドスパ
  • ヘアアレンジ
  • リタッチカラー

…などです。リタッチカラーに関しては「○cm以内」「前回も美容室でカラーをしている」「選べる色が通常より少ない」「ブリーチなし」といった、細かい取り決めがしてあることもあります。美容室に以前からあった「カラーチケット」に似ていますが、美容室のサブスクはカラーチケットがより進化したものと考えてよいでしょう。

従来のデジタルコンテンツのサブスクでは解約すると何も残りませんでしたが、美容室のサブスクは実際に施術をしてもらえるためお得なサービスだといえます。

美容室側のメリット

美容室の店内の様子

定額制サービスを行なうことで、美容室には次のようなメリットがあります。

サブスクを行うメリット
  • 安定した収益を獲得
  • サブスクサイトに登録すれば新規客獲得の機会が増える
  • 時短メニューならアシスタントで対応できる
  • リピート利用してもらえる
  • ホームカラーやセルフカットを辞めさせられるため、施術の手間を解消できる

「時期によって収益が大きく変わる」といった悩みも、サブスクなら定額で料金を頂くため月の収益が安定する利点があります。サブスクサイトに登録しておけば、新規顧客の獲得にも繋がります。

また通常お客様への施術はスタイリストが行なうことがほとんどです。しかしサブスクだとメニューが時短・簡易なことが多いため、始終アシスタントが施術することも可能になります。隙間の時間を有効活用しつつ、さらにスタイリストの負担を軽減しながらリピーターを増やせます。

美容師の悩みとして「お客さんがホームカラーやセルフカットをしてしまう」というものがあります。ホームカラーによってムラになった髪や、セルフカット後の髪ほど施術しにくいものはありません。しかしサブスクだとお客様はこまめに美容室に来てくれるため、きれいな状態で施術できます。その結果、時短にもつながります。

男性

メリットいっぱいだね

お客様側のメリット

これから施術を受けるお客様

美容室のサブスクを利用することによって、お客様には次のようなメリットがあります。

サブスクを利用するメリット
  • サブスクサイトだと、定額でさまざまな美容室を気軽に利用できる
  • サブスクサイトに登録されているのはクオリティの高い美容室のため安心
  • 時短メニューに特化しているため、隙間時間に気軽に美容室へ行ける
  • 定額払えば行き放題なのでお得
  • 出先から近い美容室で施術してもらい、そのまま出かけられる

サブスクサイトを利用して美容室へ行く場合、1つの店舗だけでなく提携している複数の店舗の中から選んで行くことができます。そのため「自分に合わなかったけど定額払ってしまっているから…」と、嫌々1つの美容室に行くのではなく「次はあそこを試してみよう」と、気持ちよくサブスクを利用し続けられます。

またサブスクで利用できるメニューは「前髪カット」や「シャンプー・ブロー」など、時短メニューが多いためちょっとした気分転換に美容室へ行けます。「1日美容室で過ごしリフレッシュ」という考えから「隙間時間で効率的にリフレッシュ」するという、現代に合った新しい美容室の利用法ができます。

ヘアアレンジなどにも対応している美容室なら、出先に近い店舗でアレンジしてもらいすぐに出かけるといった使い方もできます。

嬉しそうな女性

入らない理由がない

サブスクを導入している美容室の探し方

スマートフォンを利用している人

お客様が探しやすく、美容室側もサブスクの恩恵を受けやすいのは、やはり「美容サブスクサイト・アプリ」でしょう。サイト・アプリを使用すれば、サブスクを導入している美容室が簡単に検索・利用できます。ライバル美容室はどんなメニューを展開しているのか、料金はどれぐらいなのかといった参考にもできます。

美容サブスクサイト・アプリや、独自にサブスクを導入している美容室の探し方を以下でご紹介します。

MEZON(アプリ)

「MEZON」は通い放題プランの価格が幅広く3,300円〜36,300円と、自分に合ったプランを探せます。利用期間も1週間・1ヶ月と選べるため「とりあえず美容室のサブスクを試してみてから考えたい」といったお客様のニーズにもマッチしています。

利用エリアも拡大中で「都心にしか提携サロンがない」といった問題が解消されています。希望エリアが未対応でも、リクエストをすれば対応を検討してくれるようです。

POINT
  • 価格や期間など幅広いプランから自分の希望に合ったものを選べる。

Viday

「Viday」美容室だけでなく美容に関する、そのほかのサービスも取り扱っています。

  • 美容室
  • ネイル
  • エステ
  • リラクゼーション
  • パーソナルジム

といった5つジャンルがあり、この中から複数ジャンルを組み合わせて通い放題ができます。たとえば「美容室」「ネイル」「エステ」の3ジャンルを選んだら、その3ジャンル内の提携店舗が1ヶ月どこでも行き放題ということです。プランは月額19,800円〜39,800円から選べます。

対応メニューは15〜30分で終わる、時短メニューが多いようです。予約は「Viday」を通して行います。

女性

女性にはうれしい

salt.(アプリ)

「salt.」もさまざまな美容に関するサービスをサブスクで提供しています。

  • 美容室
  • エステ・スパ
  • フィットネス
  • ネイル

etc…

salt.はテレビメディアや雑誌でもよく紹介されているサブスクアプリです。月額は50,000円〜140,000円と少々高値になりますが、時短メニューに限らないメニュー展開がされています。

※新型コロナウイルスの影響によりサービスの提供を見合わせています(2021年12月現在)。

POINT
  • やや高額で、こだわりたい方向け。

「美容室 ◯◯県 サブスク」で検索する

サブスクを導入しているすべての美容室が、上記サイト・アプリに登録しているわけではありません。独自でサブスクをおこなってい る事もあるため、インターネットで「美容室 〇〇県サブスク」と検索をしてみる方法もあります。

サブスクを導入している美容室のホームページに、料金プランが掲載されています。しかしサブスクサイトと違い、その美容室でしか施術を受けられないため注意が必要です。

講師の女性

確認してから登録しましょう

美容室にサブスク(定額制サービス)を導入するには

首をかしげて考えている女性

都心に多い美容室のサブスクですが、地方でもサブスクを導入している店舗はあります。ご自身の美容室で「美容室サブスクの先駆けをしたい!」と思った方は、メリットだけでなく次のようなデメリットも見ておく必要があります。

サブスク導入のデメリット
  • サブスクサイト・アプリはまだ地方に対応していないことが多いため、自力で宣伝・集客が必要
  • 毎週行く習慣や時間がないお客様には、サブスクは高く感じる
  • 薄利多売にならないように調整が必須

周囲にサブスクを導入しているライバル美容室が少ないならば、サブスクを導入するだけで差別化ができるという大きなメリットはあります。しかし「地域のお客様にサブスクはマッチするのか?」といった客層のリサーチは必須です。また、こまめにリピートしてくれているお客様が多いのなら、サブスクは美容室側からすると損になる可能性もあります。

さらに、通常の予約の合間にサブスクの予約を入れて継続できるのかじっくり考えることも必要です。「せっかくサブスクに入ったのに全然予約が取れない!」とお客様に不満を抱かせてしまうと、サブスクの解除とともに失客する恐れもあります。

女性

客層やお客様のニーズをリサーチしましょう

まとめ

美容室のサブスクは美容室とお客様、両者にメリットが多いことがわかりました。美容サブスクサイト・アプリの登場により、都心では美容室のサブスクも増えてきましたが、地方ではあまり浸透していないのが現状です。これからサブスクの導入を考えている美容室は、メリットとデメリットどちらが大きいのかしっかり見極めることが大切でしょう。

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