予約システムの開発方法4選を徹底解説! 必要な機能や費用も紹介
予約システムはさまざまな業種で活用されており、今や店舗型ビジネスに欠かせないサービスの一つともいえます。とはいえ、導入を検討しているが何から準備すべきか分からなかったり、今使っているサービスの見直しを考えていたりするケースもあるでしょう。
今回は4つの開発方法とともに、搭載すべき機能や費用の目安などを解説します。開発方法によって費用が異なるため、記事を参考に導入準備を進めてみてください。
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予約システムには2種類のタイプがある
まずは、次の2種類のタイプがあることを押さえておきましょう。
- 時間受付
- イベント受付
それぞれ解説します。
時間受付
店舗側は予約の空き時間を設定し、お客様に予約を入れてもらうシステムです。主な導入例として、美容室やネイルサロン、トレーニングジム、整体、病院、音楽スタジオなどの業界が挙げられます。
1対1でサービスを提供する場合が多いため、個別のメニューで時間や金額を変更できたり、キャンセルがあった場合に空き枠へ戻したりなど、予約内容を詳細に設定できる機能があると良いでしょう。
とても便利なのよね
イベント受付
イベントやセミナーなど、その回の「定員数・開始時間・終了時間」が事前に決まったサービスを提供する場合に向いています。1人のスタッフが複数に対してサービスを提供する業務形態と相性が良く、お客様には決められた予約枠の中から選択してもらいます。
主な導入例としては、イベントやセミナーのほか、各専門分野のスクール、ホテル、講習会などが挙げられます。
お客様ごとにサービス内容や料金を変える必要がなく、最低限の機能のみで十分なため、初期費用や運用コストを抑えられることが特徴です。
- POINT
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- サービスの時間、店員数などが決まっている場合に最適。
予約システムに入れるべき機能
予約やキャンセル機能は必須で必要になりますが、その他に搭載しておくと良い機能については、次の5つが挙げられます。
- 予約管理機能
- 決済機能
- 顧客管理機能
- 外部サービス連携機能
- セキュリティ対策機能
それぞれ解説しますので、自社に必要な機能を考えてみましょう。
予約管理機能
現時点における予約状況を把握し、人数やそれぞれの顧客情報を可視化させるための機能です。空き枠がなくなったら自動的に受付を停止させたり、予約忘れを防ぐためにリマインドメールを送ったりできると、スタッフの労働コストを大幅に削減できるでしょう。
手動で管理しようとすると、他のスタッフとの連携不足によるダブルブッキングやメールの二重送信につながるリスクもあり、より正確で効率的に管理できることが強みです。
施術に集中できるし助かる
決済機能
予約と同時にオンライン決済で事前に料金の支払いを可能にすることで、来店時の会計ミスを減らし、業務負担を軽減できるでしょう。
また、月額制のサービスや回数券などを提供している場合も、予約と同時に決済できる機能があると便利です。
ターゲットにとって需要の高い決済手段を用意することで、顧客満足度やリピート率の向上が期待できます。
- POINT
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- 人為的なミスの機会を減らせる。
- スタッフの負担を減らせ、余裕を持った対応につながる。
- 需要のある決済サービスを使用すればお客様にとっても便利。
顧客管理機能
予約の際に入力してもらう情報(居住エリアやメールアドレスなど)に加え、利用したサービス内容や来店頻度、支払額などのさまざまな顧客情報は、店舗マーケティングにおいて欠かせない情報です。
必ずしも必要な機能ではありませんが、上手く活用することで売上アップが期待できます。
データを収集するだけでなく、分析機能が備わったものであれば、さらに効率的に現状における課題を洗い出しやすくなるでしょう。
- POINT
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- 顧客情報は集客や業務改善の分析にも活用できる。
外部サービス連携機能
SNSやGoogleカレンダー、Googleマップなど、お客様が普段から使い慣れているサービスと連携できる予約システムも存在します。
お客様に対する予約のハードルを下げることで機会損失を減らし、集客率アップが期待できるでしょう。
また自社で管理している顧客データやデータベースと連携が取れるようにしておくと、問い合わせを受けた際などに便利です。
ハードルが下がるし安心して使えるわ
セキュリティ対策機能
顧客のデータは個人情報にあたるため、セキュリティ対策が万全なものを選ぶことも大切です。
予約システムを提供している全ての会社でしっかりと対策が行われているとは限らないため、必ず各事業者のセキュリティ対策内容を確認しましょう。
便利な面だけでなく、セキュリティもチェックしましょう
予約システムの開発・構築方法
代表的な開発・構築方法として、次の4つが挙げられます。
- SaaS型システムを活用
- WordPressプラグインを活用
- 社内リソースで自社開発
- 開発会社へ外注
1つずつ解説しますので、開発方法を選ぶ際の参考にしてください。
SaaS型システムを活用
SaaSとは「Software as a Service」の略であり、インターネットを通して使えるソフトウェアを指します。月あたりで料金が決められていることが多くありますが、中には無料のサービスも存在します。
ブラウザがあれば予約システムを導入できるため、システム開発に必要な専門知識やリソースが足りない場合におすすめです。
ただし、他社のサービスを介さなければならず、予約フォームを自社サイトに設置できないため注意しなければなりません。そのほか、各サービスによって機能が異なったり、無料プランだと使える機能が限られていたりするため、事前によく検討した上で選ぶことがポイントです。
- POINT
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- インターネットがあれば無料でも使用可能。
- 予約フォームは自社のサイトには設置できない。
- プランや機能は事前に確認してから利用する。
WordPressプラグインを活用
WordPressは世界中で使われているCMSサービスであり、プラグインを使うことで予約システムを開発できます。
WordPressは無料で利用できるため、プラグインも無料のものを使えば、月々のサーバー・ドメイン代のみに運用コストを抑えられるでしょう。専門知識を持っていなくても、簡単にシステム開発・構築を行うことが可能です。
ただし、SaaS型システムと同じように無料のサービスは機能が限られている場合が多く、必要に応じて有料サービスの導入を検討する必要があります。
- POINT
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- プラグインを使えば予約システムを設置可能。
- 有料もあるため、プランや機能は事前に確認してから利用する。
社内リソースで自社開発
既存のサービスなどを使わずに、社内のリソースを使って自社開発する方法もあります。スタッフの中に有識者がいる場合に限りますが、他社サービスのような制限がないため、自社の求めるシステムを自由に開発できることがメリットです。
しかし、構築にはかなりの手間が必要であり、開発規模によっては高額な費用が発生する場合もあります。そのため、現実的な方法かについて十分に検討した上で、開発方法を決めると良いでしょう。
社内にいればいいけどなあ
開発会社へ外注
SaaSやWordPressなどのサービスで自社の求めるシステムを構築できず、また自社の開発リソースが不足している場合、開発会社へ外注するのも方法の一つです。
一から全ての開発を依頼する方法と、既存のサービスをカスタマイズする方法の2種類があります。
予算に余裕がある場合に限った方法となりますが、自社にとって最適なシステムを求める場合におすすめです。ただし、外注先との意思疎通が十分でないと失敗に終わる可能性もあるため、打ち合わせを重ね、しっかりと調整していくことが欠かせません。
- POINT
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- 予算があれば外注することも可能。
- コミュニケーション力が重要になる。
予約システムの開発費用の目安と内訳
開発費用は、上記で挙げた開発方法や、システムの規模、追加する機能などによって異なります。
予約機能のみを搭載したシンプルなものであれば、無料で利用できるSaaS型サービスやWordPressプラブインなどがありますが、機能を増やしたり予約可能数を増やしたりすると、月あたり数千から数万円ほど必要になるケースもあるでしょう。
また、一から開発する場合は少なくても数十万円ほどから、より高機能を求めるのであれば、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。予算を検討しつつ、自社の求めるシステムを構築する方法を考えましょう。
開発費用の主な内訳としては、人件費と設備費が挙げられます。特に、人件費は全体の8割ほどを占めるコストが発生するため、プロジェクトの規模に合わせて適切なメンバーを集める必要があるでしょう。
開発にはかなりの人件費がかかります
予約システムの開発を外部に依頼する際の注意点
自社にエンジニアがおらずオリジナルのシステムを構築したい場合は、外部へ開発・構築を依頼することになるでしょう。依頼する際のポイントとして、次の2つが挙げられます。
- 見積もりの内容は適切か
- 自社の戦略を理解してくれているか
見積もりはできる限り詳細に記載してもらい、どの工程にどのくらいのお金が必要なのか、単価は適正かどうかを確認しましょう。
また、安ければ良いわけではないため、外注先と具体的なイメージを共有し、自社の戦略を理解してくれているかについて確かめることも欠かせません。
まとめ
今回は、予約システムの開発方法や費用、外注における注意点などを紹介しました。
開発方法にはいくつか種類があるため、自社に適したものを選んで開発を進めることが大切です。充実したサービスを提供していけるように、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。