マッサージ院の開業に必要な準備とは? 失敗を防ぐポイントも併せて解説

マッサージ院の開業に必要な準備と失敗を防ぐポイントについて解説

「マッサージ院を開きたいと思っているが、オープンに向けて何をすべきか分からない」「開業を成功させるためのコツがあったら知りたい」と思う方は多いのではないでしょうか。

本記事では、開業に必要な準備や費用、失敗しないためのポイントなどを解説します。

今から開業を考えている方や、安定したマッサージ院経営を行っていきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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マッサージ院の開業にあたって気をつけたいこと

指圧で足に施術している様子

施術内容には、さまざまな種類があります。

誰でも開業できるわけではなく、内容によっては資格が必要になる場合があるため、注意しましょう。もし資格を持たずに施術すると法律違反となってしまいます。

ここでは、資格が必要な場合とそうでない場合について解説します。

悩む男女

違いは何だろう…

マッサージ師として開業する場合は国家資格が必要

「マッサージ師」を名乗って店舗を開く場合は、国家資格が必要です。主な例として、次の3つがあります。

  • あん摩・マッサージ・指圧
  • はり・きゅう
  • 柔道整復師

それぞれの施術内容について、簡単に確認しましょう。

あん摩・マッサージ・指圧

機械を使わず、手や指を使って施術する方法です。

文部科学大臣や厚生労働大臣が認定した学校に通い、「あん摩マッサージ指圧師国家試験」に合格することで資格を取得できます。

あん摩やマッサージ、指圧をする場合は、国家資格を持っていれば開業が認められるため、届出をすることで店舗をオープンできます。

POINT
  • 手や指のみでの施術。
  • 試験に合格すれば資格取得でき、開業が認められる。

はり・きゅう

手や指は使わず、はりやきゅうを使い、体のツボを刺激していく方法です。ツボに直接刺激すると自然治癒力が高まるため、健康面での効果があるといわれています。

施術を行う場合は「はり師」や「きゅう師」の資格が必要であり、それぞれ別の国家資格となります。取得するためには、高校卒業後に認定された学校に通い、試験を受けなければなりません。

また、はり師ときゅう師の両方の施術に対応している店舗が多く、鍼灸師と呼ばれる場合もあります。

女性

専門知識は必須ね

柔道整復師

接骨院や整骨院、ほねつぎなどを名称として開業する場合も、国家資格が必要です。

文部科学大臣や都道府県知事が指定する養成施設や専門学校、大学に通い、柔道整復師の資格を取得しなければなりません。

主な施術内容は関節や骨などの不調を整復や固定で治療することです。

POINT
  • 国家資格が必要。

リラクゼーションを目的とする場合は資格不要

一方、マッサージではなリラクゼーションを目的とする場合、特別な資格を保有している必要はありません。

代表的なのは、次の3つです。

  • もみほぐし
  • オイルマッサージ
  • カイロプラティック

それぞれ簡単に紹介します。

もみほぐし

もみほぐしとマッサージを同じものだと考えている人もいますが、正確には治療行為に当たらないため、資格は必要ありません。

具体的な施術内容は、身体のこりや疲れ、疲労を回復するためのリラックスを目的としています。

筋肉にアプローチする施術方法であり、原因不明の身体の不調に対して筋肉をほぐすのが一般的な考え方です。

男性

確かに治療ではないね

オイルマッサージ

素肌に直接アロマオイルを塗り、もみほぐしをしていく方法です。こちらも治療は行わず、心身のリラックスを目的とした施術になります。

具体的な効果としては、アロマオイルの香りで癒されたり、植物由来のオイルを使って低刺激で全身の疲れを改善したりすることが挙げられます。

嬉しそうな女性

癒されそう…

カイロプラクティック

アメリカで開発された施術方法であり、手で骨格の歪みを矯正していきます。主な効果としては、身体機能を本来の状態に戻したり、自然治癒力を高めて痛みを改善したりすることが挙げられます。

日本国内における歴史が浅く、法的な規定がないため国家資格は存在していません。カイロプラクティックを行う施術者は「カイロプラクター」と呼ばれます。

女性

たまに街で見かけるわね

マッサージ院の開業に必要な準備

マッサージ台

必ず押さえておきたいポイントとして、次の3つが挙げられます。

  • 営業内容の決定
  • 営業方法の決定
  • 開業届の提出

それぞれについて確認しましょう。

営業内容の決定

まずは、どのような施術内容で営業していくのかを決めましょう。国家資格が必要な店舗を開業したいと考えており、現在資格を持っていない場合は、取得する必要があります。

また、はり師・きゅう師と柔道整復師など、2つ以上の資格を持っている場合は、施術内容として加えられるでしょう。

もしエステティシャンや整体師として開業する場合でも、民間資格を取得しておくと信頼性アップや差別化に繋げられるかもしれません。

講師の女性

民間の資格でも持っていると信頼されますね

営業方法の決定

続いて、どのような方法で出店するのか、営業方法を考える必要があります。大きく分けて2種類あり、自宅やテナントなどの店舗を使ってマッサージする方法と、訪問マッサージ師として出張サービスを行う方法です。

店舗で営業していく場合は、お店のターゲット層に合った立地を選ぶ必要があります。お店を構える場所によって集客率は異なるため、サービス内容とターゲットの来店目的を考慮しつつ、需要のある場所に出店する必要があるでしょう。

また、出張サービスを行う場合は何らかの理由でお店に通えない人がターゲットとなります。移動時間や手間を含めて大変ではありますが、こちらも需要のある営業方法です。

POINT
  • ターゲット層が通いやすそうな立地を選ぶ。
  • ニーズに沿った営業を行う。

開業届の提出

店舗をオープンしたら、開業届や申告に関する書類を作成し、税務署に提出することが義務付けられています。

書類は近くの税務署や国税庁のサイトから取得できるため、必要事項を記入して提出しましょう。原則として、開業から1ヶ月以内に提出しなければなりません。

また、開業届と同時に青色申告の申請書も提出しておくと税制面で優遇される場合があるため、申請しておくことがおすすめです。

男性

忘れずに提出しないとね

マッサージ院の開業資金はいくら必要? 

お金と電卓

開業資金は、主に物件にかかる費用備品購入にかかる費用の2つから構成されます。

物件費用については、どの出店形態を選ぶかによって異なります。代表的な出店例においては、次のような費用が必要になるでしょう。

  • 賃貸:取得費約100万円(毎月の賃料も発生)
  • レンタルサロン:取得費0円(契約費や月額料金が発生)
  • 自宅:取得費0円・改装費約50万円
  • 出張訪問:取得費0円(固定費は特に発生しない)

物件によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

また、備品については次のようなものが必要になります。

  • ベッド
  • 消耗品
  • 家具
  • 電化製品
  • 事務用品

店舗の規模やサービス内容によって異なりますが、10〜50万円ほどが初期費用として必要になるでしょう。

困っている男性

失敗はできないなあ…

マッサージ院の開業で失敗を防ぐためには? 

背中を施術する様子

必ず押さえておきたいポイントとして、次の2つが挙げられます。

  • 競合店との差別化を図る
  • 十分な施術スキルを知識を身につける

一つずつ確認していきましょう。

競合店との差別化を図る

近くに競合となるマッサージ院がある場合は、自店のコンセプトやターゲット層を明確化し、差別化を図ることが欠かせません。

サービス内容が被っていては集客効率が落ちてしまうため、誰に対してどのようなサービスを提供するのかについて、考える必要があります。

例えば、高齢者が多く生活するエリアであれば腰痛や肩こりの対処、サラリーマンやOLが多いエリアではリラクゼーション要素の強い施術など、ターゲットによって求められていることは異なるでしょう。

このようなニーズを考えつつ、競合店との差別化についても意識することがポイントです。

また、短時間や格安で施術を受けられるメニューなども、気軽にマッサージを受けたいお客様にとって需要があるかもしれません。メニューや料金表については、分かりやすく明記する必要があるでしょう。

POINT
  • コンセプトやターゲットを軸にニーズを捉え、運営する。
  • 料金表などは分かりやすく提示。

十分な施術スキルと知識を身につける

大前提として、マッサージ師として十分な施術スキルと知識を身につけていることが欠かせません。一度資格を取得したら終わりではなく、研修会や勉強会、講習会などに参加して常に学ぶ姿勢を忘れないことが大切です。

また、スキルや知識の押しつけになってしまわないように、お客様に寄り添った施術を行うことも、成功のポイントといえます。

そのほか、開業する上で1人の経営者として店舗を存続させていかなければならないため、安定した売上を出せるように経営スキルも必要になるでしょう。売上や経理についてはしっかりと管理し、お金を上手く扱えるようになることが求められます。

もし初めての開業でお金周りのことがよく分からない場合は、税理士に相談するのも方法の一つです。

女性

ソフトスキルも大事ね

まとめ

今回は、マッサージ院の開業にあたって必要なことや注意点などを紹介しました。

マッサージと一括りにしても種類はさまざまであり、中には資格を必要とする施術内容もあるため、提供したいサービスに合わせて必要な準備を進めていきましょう。

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