美容室の経営にかかる費用はいくら？経営の失敗を防ぐ5つのポイント

美容室を経営するのにあたって必要な費用には、さまざまなものがあります。また、必要な費用をしっかりと確認し、事前準備を整えられていないと、経営に失敗してしまう可能性もあるでしょう。

今回は、美容室を経営するために必要な手続きや費用、経営で失敗しないためのポイントなどをまとめました。

美容室を経営したいと考えている方や、経営で失敗しないためのコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

美容室を経営するために必要な手続き

美容室を経営するためには、保健所と税務署での手続きが必要です。

それぞれについて、必要な手続きの流れを確認しましょう。

保健所での手続き

美容室を経営するためには、保健所での手続きが必要になります。営業許可を得るために、保健所に美容室開設届を提出しましょう。

この際、作業室の面積や美容椅子1台あたりの広さなど、規定をクリアする必要があります。また、衛生面についても審査が行われ、従業員名簿や健康診断書の提出が求められます。

提出書類の審査後、1週間後に開設検査が行われ、合格すれば営業許可が得られます。地域ごとに手続きや規定が異なる場合があるため、保健所の指示に従いながら手続きを進めることが重要です。

POINT

• 保健所の指示に従いながら手続きを進める。
• 従業員名簿、健康診断書を用意する。

税務署での手続き

美容室を経営するためには、税務署での手続きが不可欠です。事業主として開業手続きを税務署に提出し、事業所得者として登録されます。提出期限は事業開始から1ヶ月以内であり、早めに提出することが大切です。

提出方法については、税務署へ直接提出する、もしくは郵送を選択できます。開業届を提出することで、確定申告の際に青色申告制度の利用が可能になり、税金面でのメリットを享受できます。税務署での手続きは、事業を適切に運営し、税務に関する義務を果たすために必要な重要なステップです。

POINT

• 事業開始から1ヶ月以内に開業手続きをする。

美容室の経営に必要な費用はどのくらい？

必要な費用として、以下の項目が挙げられます。

• テナント代
• 内装費
• 設備費
• ランニングコスト

それぞれについて、必要な費用の目安を確認しましょう。

テナント代

美容室を経営するためには、物件取得費としてテナント代が必要です。一般的に、テナント代には1ヶ月分の家賃、敷金、礼金、仲介手数料が含まれます。

さらに、家賃の6～10ヶ月分の保証金がかかる場合があります。これらを合計すると、家賃の1年分が初期費用として必要になります。

テナント代は開業時の重要な費用の一つであり、適切な物件を選定し、費用を事前に計画することが経営の成功において欠かせません。

内装費

美容室を経営するために欠かせない費用の一つとして、内装費が挙げられます。内装費用は物件のグレードやスタイルによって大きく異なります。

一般的には、1坪あたり20万円を見込むのが一般的です。しかし、高級な内装を希望する場合は1坪50万円を超えることもあり、幅が広いことが特徴です。

20坪の物件を内装する場合、内装には400万円程度が必要になるでしょう。ただし、居抜き物件を利用すれば内装費を抑えられる場合もあります。

内装費は美容室のイメージや快適な空間の提供に直結するため、慎重に計画し、予算内で効果的に投資することが欠かせません。

設備費

美容室を開業する際には、設備費も欠かせない費用の一つです。美容室では美容椅子やシャンプー台、スチーマーなどの設備が必要ですが、これらの設備にはそれぞれの価格がかかります。

一般的に、美容椅子は1台あたり10～20万円、シャンプー台は50～100万円程度の費用がかかります。設備費の総額は機材の台数や質によって大きく異なりますが、設備費は美容室の運営に欠かせないものであるため、適切な設備を揃えることで顧客満足度を高め、経営の成功に直結します。

計画段階から設備費をしっかりと見積もり、予算内で効果的に投資することが大切です。

ランニングコスト

美容室の経営には、ランニングコストとして運転資金が必要です。ランニングコストは、事業を運営するための日常的な費用を指します。

統計によれば、9割の美容室が最初の1年間は赤字になるとされており、この期間の赤字を乗り切るために十分な運転資金が必要です。理想的には、1年分の固定費を支払えるくらいの運転資金を用意することが望ましいですが、最低でも3ヶ月から半年分の運転資金を確保することが重要です。

運転資金を十分に用意することで、美容室の経営を安定させ、黒字に転換する前に廃業するリスクを減らすことができるでしょう。

事前に必要な費用を把握していくことが大事だね

美容室の経営で失敗しないためのポイント

主なポイントとして挙げられるのは、以下の4つです。

• 十分な資金を用意しておく
• 経営に関する知識を学ぶ
• マネジメントに力を入れる
• マーケティングにも力を入れる

それぞれの項目について確認しましょう。

十分な資金を用意しておく

美容室を経営する際には、十分な資金を用意することが欠かせません。上述したように、統計によれば美容室の多くは開業後の最初の1年間は赤字になるとされています。そのため、事業が黒字に転換するまでの間、適切な運転資金を確保することが重要です。

理想的には、最初の1年分の固定費を支払えるだけの資金を用意することが望ましいですが、最低でも3ヶ月から半年分の運転資金を確保することが推奨されます。ランニングコストには物件取得費や内装費、設備費などの初期費用のほか、日常的なランニングコストも含まれます。

ランニングコストを十分に用意することで、経営の安定性を高め、開業後の苦境に立ち向かう準備が整います。適切な資金計画を立て、十分な資金を用意しておくことが、美容室の経営で失敗しないための重要なポイントです。

余力があると安心

経営に関する知識を学ぶ

美容室を経営する上で成功するためには、経営に関する知識を積極的に学ぶことも不可欠です。経営に関する知識を身につけることで、効果的な経営戦略や計画を立てやすくなるでしょう。

これには、経営学やマーケティング、会計、人材管理など幅広い分野の知識が必要です。経営に関する書籍やオンラインコース、セミナーなどを活用して、経営に関する知識やスキルを広げましょう。

また、経験豊富な経営者や専門家とのコンサルテーションを通じて、実践的な知識やノウハウを学ぶことも有益です。経営に関する知識を継続的に学び、実践に活かすことで、美容室の経営において失敗を回避し持続的な成功を収めやすくなるでしょう。

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マネジメントに力を入れる

美容室を成功させるためには、効果的なマネジメントが欠かせません。マネジメントはスタッフの指導や育成、業務の効率化、顧客サービスの向上など、多岐にわたる要素を含みます。

まずは、適切な人材を採用し、チームを形成することが重要です。スタッフのモチベーションを高め、能力を引き出すためには、適切な指導やフィードバックが必要となるでしょう。

また、業務の効率化や品質管理を行うためには、適切なシステムやプロセスの導入が欠かせません。顧客サービスの向上を図るためには、スタッフの教育やトレーニングを定期的に行い、顧客満足度を高める努力が必要です。

経営者自身がリーダーシップを発揮し、組織をリードすることも重要です。マネジメントに力を入れることで、美容室の運営を効果的に行い、経営の成功を実現しやすくなるでしょう。

お店を引っ張っていけるように頑張ろう

マーケティングにも力を入れる

美容室を成功させるためには、効果的なマーケティングが欠かせません。マーケティングは顧客を引き付け、リピーターを増やし、新規顧客を獲得するための戦略的な取り組みを指します。

まずは、自店のブランドや特徴を明確にし、ターゲット顧客を明確に定めることが重要です。また、オンラインやオフラインの広告、SNSを活用したプロモーション、イベントの開催など、さまざまなマーケティング手法を組み合わせて活動することも効果的です。

マーケティングを考える上では、顧客ニーズや市場動向を常に把握し、競合他社との差別化を図ることが欠かせません。そのほか、顧客とのコミュニケーションを密にし、顧客満足度を高めることで、リピーターが増え、口コミでの広がりが促進されます。

マーケティングに力を入れることで、美容室の知名度や集客力を高め、経営を成功させやすくなるでしょう。

自店舗に合ったマーケティングを展開していきましょう

まとめ

今回は、美容室を経営するために必要な準備や費用、経営を成功させるためのポイントなどについて解説しました。

美容室では、開業する際の初期費用に加え、売上が安定するまでの当面のランニングコストが必要になります。また、安定した売上を維持するためには、従業員のスキル向上やマネジメント強化、マーケティングへの注力なども欠かせない要因です。

記事で紹介した必要費用の目安を参考に、美容室経営を成功させられるようにしましょう。