新型コロナウイルス感染症の拡大や、働き方改革・なり手不足など美容業界の動向は日々変化しています。業界の動向に限らず消費者の動向も大きく変化しています。今回は美容業界・消費者の動向についてお話していきます。美容室を経営するうえで参考にしていただければと思います。
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美容業界の動向について
全国の美容室は年々増加しており近年20年間で5万店増加し25万店舗、従事する美容師も増えており数年で1.6倍の52万人となっています。2017年には1美容室における美容師の人数は2.1人となっています。美容師免許の新規登録件数は2005年以降減少していましたが2013年より若干増加しその後はほぼ横ばいとなっています。この理由としてまつ毛エクステなどの多様性の需要増加が上げられます。
美容室が提供するものは、シャンプー、カット、カラー、パーマ、ブロー、セット、トリートメント、髪質改善、婚礼など様々ですが、2005年を境にそれまで主力であったパーマが減少し始めました。これは80年代後半から2000年までにロングやソバージュからストレートパーマによる高単価の施術からカットやカラー、トリートメント、ロングヘアからショートカットへ「カリスマ美容師」と人気俳優のドラマ化など大きな流行を終えたことが要因となっています。
また、2005年あたりを境に人材不足、客単価減少、人件費の高騰などが起きています。なり手不足に始まり離職率の高さが影響し現在美容業界では今までにないほどの人材不足を迎えています。そのため黒字倒産や黒字廃業などを行う美容室が後を絶ちません。そんな中でも求人募集を行う、人を集めることができている美容室でも最低賃金の上昇などによる人件費に苦しめられているのも事実です。
美容室の消費者動向
女性の9割が美容室を利用しており、年代が低いほど利用回数や利用頻度が多いというデータが存在します。また男性も3割以上の方が美容室を利用しており20~30代に関しては半数近くが美容室を利用しています。ではこの多くの方は何を基準にお店を選んでいるのでしょうか?
美容室を選ぶ基準として男女ともに最も多い理由は「行きやすい場所にあるから」となっています。自宅から近いことや職場の帰りに寄れる営業時間、駐車場・駐輪場の有・無など便利に利用できる美容室を選ぶお客様が多いです。次に「担当者の技術や提案がよい」といった理由が上げられます。自分に合う提案をしてくれるか。自分の要望に応えてくれるか。を求めているお客様が多いです。
新規の美容室を選ぶ基準としては男女ともに「料金がお手頃であり高すぎない」「行きやすい」「スタッフの経歴や評判」などが重要視されています。では行きにくい、選びたくない美容室とはどんな美容室なのでしょうか?
様々な理由がありますがその中でも特に多かった理由は「料金がわかりにくい」「スタッフ、客層が自分に合ってない」などです。自分の理想のスタイルにするのには料金がいくらなのか。そのスタイルをスタッフが行うことはできるのか。など明確にわかるものでないと非常に行きづらいと感じるお客様が多いです。
では、お客様は何でお店を調べるのでしょうか? ひと昔前では「家族や友人・知人の紹介」が非常に多かった美容業界ですが現在は「予約サイトや店舗検索サイト」が主流となっています。大手集客サイトやSNSなどを利用する方がほとんどを占めています。特に10代~20代のお客様はこの傾向が最も顕著であると言われています。
動向から考えられる改善ポイント
- 6つの改善ポイント
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- スタッフの質向上、働き方改革
- 高齢社会のニーズに対応したサービス
- 作業の効率化による働き方改革
- ランニングコストの削減
- SNSを活用した情報発信
- 客単価・来店頻度の向上
①スタッフの質向上、働き方改革
まず、行うべきこととしてはこのスタッフの質向上です。10~20代向けにデザインカラーやインナーカラーの技術を向上させたり、30代向けに髪質改善の技術を向上させるなどスタッフの質を上げる必要があります。どこにでもある美容室・スタッフではお客様を集客することも単価を上げることも非常に難しくなります。また質が向上することにより作業の効率化ができます。そのため就労時間の改善につながり働き方改革を行うことが可能になります。
②高齢社会のニーズに対応したサービス
次にこの高齢化に対応するサービスを行う必要があります。半個室やマンツーマン施術など高齢者が求めているニーズに応える仕組みづくりが必要となります。
③作業の効率化による働き方改革
スタッフの質向上と共に美容室内の作業効率化を行う必要があります。カラー剤のレシピ作成を行い誰でも同一のものが作れるようにする仕組みや、ITツール導入により開店・閉店作業の時短など従来の残業時間からマイナス1時間を目安に行いましょう。
④ランニングコストの削減
美容室において一番コストのかかる部分はこのランニングコストになります。人件費、材料費、水道光熱費、家賃など非常に多くのコストが毎月発生します。そのためこのランニングコストを削減することが非常に重要となります。
⑤SNSを活用した情報発信
SNSを上手に使用し集客・求人に繋げましょう。SNSは美容室のアカウント、スタッフ個人のアカウントなど目的・用途に応じてアカウントを分け統一した投稿を行うようにする必要があります。
⑥客単価・来店頻度の向上
デザインカラーやインナーカラー、髪質改善などの特殊技術を習得することで客単価を上げることは可能となります。その他にもトリートメントやスパの需要も近年では高まりつつあるので提案して単価を上げる必要があります。また、来店頻度を上げるためにお客様と多くかかわる必要があります。
日本では「より美しく・若く・健康に」の思考が高いです。
近年では美容家電や美容器具の性能の向上により「自宅での美容ケア」も急速に進んでいるため、美容室の競争相手は美容業界だけに限らなくなってきました。成人式や七五三などの重要なイベントが写真館など専門店に流れていることやカラー専門店やカット専門店などの専門的な店舗展開など競争力は非常に強くなっています。そのため他社にはないものを導入し運用する必要があります。
まとめ
今回ご紹介した通り美容業界では急速な勢いで変化しています。従来通りの集客・接客で乗り切るのは非常に難しいです。Mobiusでは急速な変化に対応するシステムをご提供いたします。ペーパーレス化に対応するための電子カルテやターゲットを絞ったプッシュ通知、お店専用のオリジナルアプリによる常連化など。
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