美容室の保健所立入検査とは? 開業前にポイントをおさらい
自身の美容室をオープンさせるにはそれぞれの地域における所管の保健所の立ち入り検査を受ける必要があります。ここでは、美容室の開業時に行われる保健所のチェックや、必要な書類や手続きなどを紹介していきます。
▼ 目次[表示] ▲ 目次[非表示]
保健所立入検査とは
美容室開業時における保健所の立入検査とは、先に提出された美容室の開業届の内容と相違がないか開設予定店舗へ保健所職員が直接訪問し、構造基準が届け出と相違がないか検査することです。この検査を受けなくては開業の確認証が発行されず開業できません。また、構造設備だけでなく、衛生管理面でも美容師法に基づいた消毒がされる設備になっているかなども検査の対象になります。
保健所の検査が必要な理由
美容室はお客様の髪や頭皮、場合によっては皮膚に触れます。その為、店舗の衛生管理についてしっかりと確認し、理解して実践していかなければなりません。お客様はデザインとしてのへアースタイルだけでなく、ココロのリフレッシュも求めて来店されます。その美容室が心身共にキレイになれる衛生管理をしなくてはなりません。また、美容室をつくる上で、店舗や作業所の広さや区切り、照明などの明るさ、換気設備など様々な規定があります。その規定に合っている構造設備になっているかを検査していきます。
検査でチェックされるポイント
チェックされる検査内容のポイントは下記のとおりです。
- 床、床面積
- 椅子の台数
- 待合場所
- 採光、照明、換気
- 毛髪箱、汚物箱
- 格納設備
- 消毒設備
提出された書類の構造設備の内容とあっているのかだけでなく、経営者がその設備を正しく使用出来ているかも審査の基準になります。特に消毒設備に関しては、当日保健所の方の前で、実際に消毒設備を正しく使いこなせているかを見せる場合もあります。あらかじめ必要な設備や道具を揃えて使用手順を把握しておきましょう。
検査の流れ
保健所による検査の概要を紹介してきましたが、全体の流れはどうなっているのでしょうか。ここでは事前相談から検査後までの流れについてみていきます。
1:事前相談
店舗イメージが固まり、内装業者との打ち合わせにより、平面図が出来上がったら、その地域の所管の保健所に連絡し、事前相談に伺います。これには、美容室の構造や設備などが法律やその地域の条例で定められており、その基準に適合するかどうかを相談します。作業面積、面積に対するセット面の数量、天井の高さ、床・壁の材質、待合、床・腰張り、洗髪場、洗い場、消毒設備・備品、収納、照明、換気など細部にわたり設定事項が有る為です。この段階で、提出に必要な書類などももらっておきます。その他、気になる点や、確認しておきたいことなどをまとめておきます。
2:開設届の提出
保健所に美容所開設届の提出とあわせて、次の必要書類も提出します。
- 必要書類
-
- 構造及び設備の概要
(作業面積、面積に対するセット面の数、照明、換気など) - 美容所の平面図
(寸法及び設備の配置を明示) - 美容所への案内図(地図)
- 美容師の免許証(写し)
- 医師の診断書
(結核伝染性皮膚疾患の有無が記載された、発行3ヶ月以内の診断書) - 従業者名簿
(従業員を雇用する場合) - 申請者が法人の場合は、登記事項証明書
(発行6ヶ月以内の原本) - 管理美容師をおく場合は、管理美容師であることを証する書類
- 外国人登録証明書、住民票の写し
(国籍等を記載したものに限る、開設者が外国人の場合) - 開設検査手数料
(地域によって異なります。事前に確認しておいてください)
- 構造及び設備の概要
この時点で工事日程と合わせて、確認検査日の日程を決めていきます。開設届の提出は検査を希望する10日~2週間前までに済ませるようにします。事前相談なしで解説届を提出しても認められない為必ず事前相談後に提出してください。
3:検査当日
開設予定店舗へ保健所職員が直接来訪し、構造基準が届け出と相違ないか検査します。当日はしっかりと準備を整えて、万全の態勢で迎えましょう。特に、消毒設備の準備と消毒の仕方など、通常行えるようにしておきます。
4:検査後
この検査で認定されれば2~3日後に確認証が発行されます。確認証は、申請者が保健所に取りに行きます。これで美容室の開業が認められましたので、美容室のオープンが可能です。また、不定期で保健所の抜き打ち検査が行われることがあります。いつ保健所の方にチェックされてもいいように店舗の衛生管理はしっかりと行えるようにしておきます。保健所対策ではなく、お客様の為の衛生管理であることを忘れないようにしましょう。
まとめ
美容室を開業させるには、この保健所の立入検査無くしては開業できません。この審査で確認証が発行されれば、念願のオープンです。その為には、工事日程と合わせてスケジュールを組みながら、段取り良く進めて行く事が必要です。また、お客様に安心して通い続けていただく為にも、衛生管理は継続して行っていかなければ信用されません。継続させる習慣も作っていきたいものですよね。