美容室でのキャッシュレス決済導入、メリット・デメリットについて解説

キャッシュレス決済導入についての説明

「カード は使えますか」
「申し訳ございません、現金のみとなっています……」

店頭での会計時、そんなやりとりをしたことはありませんか。近年、現金だけでなくキャッシュレス決済で会計をするお客様も徐々に増えてきています。

美容室を経営されている方、またはこれから開業予定の方の中にもキャッシュレスの導入について考えている人は多いのではないでしょうか。

この記事ではキャッシュレス決済の内容とそのメリット・デメリットについて解説しています。

▼ 目次[表示] ▲ 目次[非表示]

キャッシュレスの種類

カード決済、コード決済、電子マネーをそれぞれ操作している写真

カード決済、コード決済、電子マネーなど、近年ではさまざまな決済方法が選べるようになりました。これらはキャッシュレス決済と呼ばれ、物質的な紙幣(現金)ではなく電子的データでの支払い方法です。

コンビニをはじめとし、今や現金をもたずに買い物をする方も増えてきました。ところが、世界的にみると日本はキャッシュレスの普及が遅れています。

キャッシュレス決済比率が94.7%の韓国に対し日本はわずか24.2%。そのため、経済産業省が掲げる「キャッシュレス・ビジョン」では『2025年までに40%に引き上げ』を目標にしているほど。

キャッシュレス決済には、主に3種類あります。

キャッシュレス決済の種類
  1. クレジットカード決済
  2. 電子マネー
  3. スマホ決済(コード決済)

以下でそれぞれについて解説していきます。

女性

どれもよく見るようになったね

クレジットカード決済

キャッシュレス決済のうち、日本で最も多く使われている方法です。業界を問わず対応しているお店が多く、カード会社によってお客様の利用金額に応じてポイントが貯められるカードもあります。

電子マネー

端末にカードをかざすだけで決済ができます。電子マネーには「Suica」「Toica」などの交通系「Waon」「nanaco」などの流通系があります。支払い方法は現金を事前にいれておく(チャージする)前払い式と、クレジットカードを登録しておく後払い式があります。

《種類》

交通系「Suica」「Toica」…etc
流通系「Waon」「nanaco」…etc

《支払い方法》

前払い式現金を事前にいれておく(チャージする)
後払い式クレジットカードを登録しておく
女性

通勤や通学のある人にはとても便利だね

スマホ決済(コード決済)

スマートフォンを専用端末にかざしたり、アプリを使ったりして決済を行います。スマホ決済のひとつに「コード決済」があります。コード決済は、QRコード読み取りによる決済方法です。

コード決済には2通りあります

「ストアスキャン方式」お客様のQRコードを店側が読み取る
「ユーザースキャン方式」お客様に店側のQRコードを読み取ってもらう

使用するには、お客様が事前に銀行口座やクレジットカードの登録、現金をいれておく(チャージする)必要があります。Pay Pay、楽天PAY、LINE Pay、d払い、メルペイなどがこれにあたります。

男性

すっかりお馴染みだね

キャッシュレス決済の5つのメリット

キャッシュレス決済のメリットは主に5つあります。

キャッシュレス決済のメリット
  1. 集客効果アップが期待できる
  2. お客様単価のアップが期待できる
  3. 会計時の手間やミス削減
  4. 現金の取り扱いが減り、防犯になる
  5. 衛生面で安心

後払いのカード決済であれば請求は翌月になるので、給料日前であっても客足は増えやすいでしょう。お客様にはポイント還元などのメリットがある場合もあります。

また、お客様が手持ちの現金を心配することなくメニューを追加できるため、最高にキレイな状態でお帰りいただけます。お店側としても、よりよいサービスを提案・提供できるということです。

そのほか現金の管理をしなくて良いため、スタッフが現金を数えたりお釣りを用意する必要がなくなります。釣銭用の現金を用意するため、銀行に出向く回数も減ります。銀行からサロンまで持ち歩く額も減り、防犯面でも安心です。

さまざまな手間が省けるうえ、数え間違いや渡し間違えなどのミスが防止されます。また営業後のレジ締めが早く済み、業務の効率化にもつながるでしょう。

また美容室はきれいになる場所ですので、清潔の保持にはなおさら気をつけたいところ。マスク着用やアルコール除菌の徹底は今や当たり前となってきていますが、キャッシュレス決済の導入によって接触を最小限にできます。現金は様々な人の手にわたって流通しており、細菌やウィルスが付着していることがあります。コイントレーを使用し、直接の受け渡しをなくしても、お客様もスタッフも現金を触ることは避けられません。

それに対し、キャッシュレス決済であればお客様自身にカードを端末に差しこんでいただく、あるいはスマホを決済端末にかざしていただくことで、接触なしの会計が可能です。

POINT
  • 現金の管理に費やす時間が減る。
  • 人為的なミスが防げ、効率化にもなる。
  • 非接触での対応が可能。

キャッシュレス決済のデメリット

便利なキャッシュレス決済ですが、

  • 「初期費用がかかる」
  • 「手数料がかかる」
  • 「入金に時間がかかる

などデメリットがあるのも事実です。

初期費用がかかる

キャッシュレスの種類や決済会社によっては、決済端末の導入にコストがかかります。中でも、クレジットカードの支払い端末は初期費用が通常数万円ほどかかります。

しかし、QRコード決済の場合は特別な端末を用意しなくても導入でき、クレジットカードに比べ初期費用は低めです。特に、代表的なQRコード決済「PayPay」では初期導入費が0円のため、導入のしやすさがあります。

嬉しそうな女性

初期導入費0円は魅力!

手数料がかかる

店側は、売上に応じた手数料が発生します。手数料は決済額の3~5%ですが、現金決済に比べ利益が減ってしまいます。

入金に時間がかかる

お会計後、売上金が手もとに入るまでに時間がかかります。現金支払いであればその場ですぐ受け取れるのに対し、キャッシュレス決済は1か月ほど待たなければならないこともあります。

その間、家賃や光熱水費などの固定費や人件費など、資金繰りに苦しくなることも考えられます。入金のタイミングや、入金頻度を増やせないかなどを事前に調べておくとよいでしょう。

講師の女性

入金や支払いのタイミングを確認しておきましょう

まとめ

キャッシュレス決済には、集客効果や単価アップが見込めるいっぽうで、初期費用や手数料などネックになる面もあります。

しかし、総合的にみればデメリットよりメリットのほうが上回るのではないでしょうか。

競合他社が多く存在するなか、多様な支払い方法があることはサービスの品質にプラスして大きなアドバンテージになります。うまく活用することができれば事業の発展に繋がることでしょう。この機会にぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事