コロナ対策! 美容室で徹底する消毒方法と衛生管理

手を消毒する様子

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、連日コロナ関連の報道ばかりが続き不安な日々を過ごされている方も多いのではないでしょうか? 一度は落ち着いたように見えた新型コロナウイルスですが現在も感染者数は日を追うごとに増え続けています。しかし、ウイルスとは関係なく髪の毛は伸びていきます。「美容室に行きたいけどコロナが怖い」というお客様の不安を取り除き、スタッフを守るためにも徹底したコロナ対策が必要となります。

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美容師法で規定されている消毒法

4月に発令された【緊急事態宣言】では多くの業種が休業要請を受ける中、理美容室は生活に必要な業種として休業の対象に含まれず、感染予防を行いながら営業継続の判断をしたお店が多くありました。元々、美容師法ではお客様1人ごとに器具の消毒をすることが法律上で義務付けられているため、コロナ以前から衛生管理を徹底されている美容室が多いと思われます。また美容室開業にあたっても消毒設備の設置がされていないと、厚生労働省から営業の許可をもらうことはできません

また2次感染を起こさないためにも規定に沿った消毒方法で衛生の向上と確保を行わなければなりません。消毒を実施する際には液量数(100mlと1000ml)消毒容器、蓋つきの消毒用パット、洗面器を用意する必要があります。器具だけではなくタオル、店内、毛髪箱、汚物箱の設備も定期的に消毒を行うことが義務付けられています。消毒エタノールは7日以内で取りかえが義務付けられ希釈した消毒液に関しては日々取り換えるようになっています。消毒液を希釈する際は濃度を確認し適正濃度として使用しましょう。

美容バサミ

美容室での衛生管理チェック項目

美容室で消毒をはじめとした衛生管理を徹底するために美容所における衛生管理要領に基づいた衛生管理チェック表を準備する必要があります

  1. 定期的な換気
  2. トイレの消毒・清掃
  3. タオルの交換・消毒
  4. ゴミ箱や毛髪箱の消毒
  5. 手指消毒
  6. 器具の消毒
  7. ドアノブや施術台、椅子やタブレットの消毒
  8. ロッカー、鍵の消毒
  9. マスクの着用
  10. 空気洗浄機や加湿器の清掃・動作確認
  11. 検温

上記などです。非常に多くの確認を行う必要がありますが、これも美容室、スタッフ、お客様を守るためにも怠ってはいけません。こういった取り組みが感染拡大の防止につながります。

消毒を正しく行うために再度手順・洗浄方法を確認していきましょう。

消毒の手順は
『消毒部分の洗浄』→『消毒』→『水洗い』→『保管』
となっております。消毒前に洗浄をすることや、後に水洗いをすることを意外と忘れてしまいますが、きちっと行わなければ消毒の意味がなくなります。

洗浄はスポンジなどに家庭用洗剤をつけ表面をこすり、1リットル以上の流水で10秒以上行う必要があります。器具の消毒には煮沸、エタノール、次亜塩素酸など様々な方法が存在します。紫外線消毒や蒸気消毒、逆性石鹸、グルコン酸クロルヘキジン、両面性活性剤などの消毒方法もあります。手指消毒も非常に重要となります。水道水と石鹸による手洗いとアルコールなどによる速乾性擦式消毒薬での消毒をお客様1人ごとに徹底をしましょう。

美容室の器具消毒は大きく2種類に分けられます

①剃刀(カミソリ、頭髪のカットのみに使用するカミソリを除く)とカミソリ以外で血液付着が疑われるもの
②血液付着の疑いのないカミソリ以外の器具

この2種類は消毒方法が違いますので明確に覚える必要があります。

①の消毒方法は以下の通りです。

  1. 煮沸消毒器による消毒:沸騰してから2分間以上の煮沸
  2. エタノールによる消毒:76.9v/v%~81.4v/v%消毒用エタノールに10分以上浸す
  3. 次亜塩素酸ナトリウムによる消毒:0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(有効塩素濃度1000ppm)中に10分間浸す

また、これらの洗浄に使用したスポンジなども流水で洗浄し、消毒用エタノールもしくは消毒用次亜塩素酸化ナトリウムで消毒をしましょう。シザーケースなど直接皮膚に触れない物についても未消毒の備品を介して感染する恐れもあるため、収納前に適宜消毒を行う必要があります。

加湿器

美容室でのコロナ対策と消毒の徹底

新型コロナウイルスに対して有効な方法は現在でも解明されていません(2020年11月現在)。そのため、定期的な換気や密室空間を避け、密着しない環境づくりが重要になってきます。また至近距離での会話や大声の発声も控え、適正な消毒、衛生管理を行い感染リスクの回避をすることも非常に重要となります。スタッフだけではなく、お客様に対しても新型コロナウイルス対策をお願いする必要があります。スタッフ、お客様で協力し合い感染しない、感染させない取り組みを実施しなければなりません。

主な取り組み
  • 消毒が難しいものは消毒ができるものに切り替える(雑誌をタブレットになど)
  • 加湿器、空気清浄機の導入
  • 不特定多数が触れる現金からキャッシュレス決済への変更
  • ゴム手袋の着用
  • カットクロスやシャンプークロスを使い捨て運用
  • フェイスタオルを使い捨てへ変更
  • ドリンクサービスを使い捨て紙コップへ変更
  • 営業日、営業時間の変更
  • 同一時間の予約の制限やマンツーマン施術
  • シフト制導入による密状態回避

など様々な対策をとることでお客様、スタッフに安心して働ける美容室を提供することができます。

スタッフに義務付ける対策

スタッフの対策
  • 毎朝の検温
  • こまめな換気
  • マスクの着用
  • アルコール消毒(手指、器具、セット面、備品など)
  • シャンプー中の会話の禁止
  • 施術の1つ飛ばし
  • 仕事・プライベートでの集会禁止
  • 掃除の際に次亜塩素酸水を使用して拭き掃除

これらはほんの一部となります。その他にもスタッフに義務付けるものはたくさんありますが、あまりにも多すぎるとスタッフのストレスとなってしまい、離職の原因にもなってしまいます。スタッフの状況を見て無理のないように行う必要があります。お店・スタッフのルールが決まったらお客様にしっかりコロナ対策をしていることを伝え不安を取り除きましょう。

美容室の店頭や受付フロントにPOPで明記や自店のホームページ、集客サイト、クーポンサイト、SNS、チラシ、DMなども使用し、自店の美容室はお客様が安心して来店できるお店であることを強くアピールする必要があります。

お客様にもある程度のルールを設定する必要があります

RULESと書かれた文字
お客様へのお願い
  • 37.5度以上の発熱、せき、のどの痛みのある方は2週間後以降へ予約の変更、来店を控えていただく
  • 直近2週間以内に国外への渡航歴や感染の疑いのある方との濃厚接触の確認
  • マスクの着用
  • 手指消毒の徹底

現在これらを不快に思われる方は殆どいらっしゃいません。またお客様に対して行うことでお客様もより安心して来店することができます。

まとめ

新型コロナウイルスの感染・拡大はとどまる目処がありません。世の中の多くの企業が大きな打撃を受け、美容室オーナーにとっても非常に悩ましい問題です。売上の減少や業績悪化への支援措置も設けられてますので、国の制度をうまく活用し乗り越えていきましょう。美容室はもともと衛生管理が徹底されている施設ではありますがお客様、スタッフの不安を払拭するためにも再度自店舗の消毒、衛生管理を確認してみましょう。

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