タイ古式マッサージの特徴とは? 施術の流れや学ぶ方法を徹底解説
「タイ古式マッサージを身につけたいが、何をすべきか分からない」
「どこで学べるのか知りたい」
こんな方は多いことでしょう。日本でも人気の高いマッサージ方法であり、施術者は増えているようです。
本記事では、タイ古式マッサージの効果や施術の流れ、勉強方法などについて紹介します。これから施術スキルを身につけたい方や、開業を考えている方はぜひ記事を参考にしてください。
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タイ古式マッサージとは?
タイの伝統的な医学の一つであり、伝承医学に基づいて作られた治療法です。タイの病院では、療法として多く取り入れられています。
また、高いリラクゼーション効果を得られることから「世界一気持ちいいマッサージ」と呼ばれています。そのほか、施術者自身の体のさまざまな部分を使って体をほぐしていくため、「二人ヨガ」と言われることもあるようです。
ここでは、歴史や効果・効能、2つに分けられる流派などについて紹介していきます。
流派によってどう違うのか気になるね
歴史
ブッダの主治医だったシワカ・コマラパ師の医学が、約2500年前にインドからタイに伝わったことが始まりです。その後、中国医学を吸収しつつタイ独自の伝統医学として確立され、現在まで継承されています。
タイマッサージは奉仕活動の一環として、体に不調を抱えた民衆に寺院で提供され、多くの人に浸透していきました。また、現代でも治療に用いられたり、タイ国外でもリラクゼーションとして施術されたりしています。
2019年にはユネスコの認定を受け、伝統医療として無形文化遺産に登録されています。
昔から効果があると認められてきたのね
効果・効能
主な効果・効能として挙げられるのは、次の4点です。
- 体のバランスを整える
- 自律神経を整える
- 関節の可動域を広げる
- リラックス・ストレス解消
ゆったりとしたリズムで行われる施術は、関節の可動域が狭い箇所を緩め、ズレを直したり痛みを解消したりする効果があります。
また、副交感神経を優位な状態にすることで本来のバランスに近づけ、自律神経の調整やリラックス効果が期待できます。
2つの流派
流派は主に2つに分かれており、それぞれで施術のやり方が異なります。
まず、タイ北部の農村で発展した「チェンマイスタイル」があります。足を使った施術や動的なストレッチが特徴です。
一方、バンコクの寺院の近代化に伴い、多くの人が使える安全性の高いやり方に改訂されたのが「バンコクスタイル」です。西洋現代医学の観点から広く使える手法であり、指圧を中心に施術を行っていきます。
マッサージ店によっては、両方のスタイルを取り入れた日本人向けの施術を行っている店舗もあります。
- POINT
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- 「チェンマイスタイル」は施術者の足などを使って施術。「二人ヨガ」とも呼ばれる。
- 「バンコクスタイル」は指圧を中心に安全性の高い方法に改良されたもの。
タイ古式マッサージの特徴
主な特徴として挙げられるのは、次の2点です。
- 時間をかけながら全身をマッサージ
- 複数の技術を掛け合わせた施術
一般的なマッサージで行われる施術との違いについても解説しますので、特徴を確認していきましょう。
時間をかけながら全身をマッサージ
1つ目の特徴として、時間をたっぷり使い、全身をくまなくマッサージしていくことが挙げられます。
体の悪い箇所に絞って集中的にほぐそうとはせず、全身のバランスを整えつつ治療を行うため、根本的な改善が期待できます。
時間をかけてゆっくりと筋肉を緩めていくため、もみ返しが起こりにくく、効果が長続きすることもメリットといえます。
複数の技術を掛け合わせた施術
2つ目の特徴としては、ストレッチや筋膜リリース、整体などのさまざまな技術を組み合わせて施術を行うことが挙げられます。
また、それらの技術を同時に使用して施術するため、相乗効果により本来の体のバランスへと整いやすくなるでしょう。
大胆でアクロバティックに見えるため、痛みが伴うと思う方も多いかもしれません。しかし、ゆっくりと筋肉をほぐしていくため強い痛みを感じることはなく、リラックスした状態で施術を受けられます。
ほかのマッサージとの違いとは?
一般的なマッサージ方法として捉えられているのは、体の悪い箇所を重点的にほぐしていく施術ではないでしょうか。この場合、急激に筋肉がほぐれるため元に戻ろうとする力も強く、翌日のもみ返しに繋がることも少なくありません。
タイ古式マッサージではゆっくりと時間をかけて全身をほぐしていくため、3週間ほどかけて元の状態に戻るといわれています。
こっている部分を集中的にアプローチした場合よりももみ返しが起こりにくく、体の巡りが良くなって疲れにくい体を手に入れることが可能です。
効果が持続しやすいのね!
一般的な施術の流れ
多くの店舗では、次のような流れで施術を行います。
- カウンセリング
- 着替え
- フットバス
- マッサージ・ストレッチ
- 施術終了・アフタードリンク
このような流れが一般的であり、カウンセリングと着替えが完了したら、タイ仏教の教えであるフットバスによって足を清めることからマッサージが始まります。
ストレッチでは数十種類のポーズを取ることもあり、一人ひとりに合わせた施術が行われます。
また、施術後は老廃物を排出しやすいため、アフタードリンクでしっかりと体を整えることが大切です。
タイ古式マッサージは施術に資格が必要?
仕事として施術を行いたい場合、国家資格は必要ありません。
ただし、日本で「マッサージ」を行う場合は国家資格を持っていなければならないため、無資格で施術を行う場合は「リラクゼーション」の扱いとなります。
また、民間のタイ古式マッサージの資格を取得することもできます。施術者としての信頼性や正確な知識を得るために取得しておくことで、より仕事の幅が広がる可能性もあるでしょう。
タイ古式マッサージの学び方やおすすめのスクールを紹介
ここでは、やり方を学ぶ方法や実際に通うスクールの選び方などを紹介していきます。
これから施術方法を学んでいきたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
学び方
施術のやり方を学ぶ方法として、次の3つが挙げられます。
- 日本にあるスクールに通う
- 研修可能なサロンで働く
- タイに留学して勉強する
まず、日本でスクールに通う方法です。日本にはさまざまなタイ古式マッサージのスクールがあるため、自分の学びたいジャンルやライフスタイルに合ったものが見つかるでしょう。
次に、未経験でも研修が可能なサロンで、実際に働きながらスキルを習得していく方法です。収入を得ながら学べるだけでなく、施術のプロによる技術を近くで見ることができます。
そして、本場であるタイに留学して勉強する方法があります。現地では英語やタイ語が必要になるのではと思うかもしれませんが、日本語対応しているスクールもあるため、現実的な方法の一つといえます。
スクールの選び方
スクールや学ぶ場所を決める際は、次のような点に注意して選ぶと良いでしょう。
- 自分が学びたいスタイルを学べるか
- 取得できる資格には何があるのか
- 将来的にやりたいことに役立つかに留学して勉強する
自分の目的や環境に合った方法を選ぶといいね
スクールやサロンによってスタイルが異なるため、自分の学びたい方向性と一致するかを確認することが大切です。また、どのような資格を取得できるのかについても併せてチェックしておきましょう。
さらに、将来的なビジョンにおいて学んだ内容が活かせるのかを判断し、自分のやりたい方向に進める場所で学ぶことがおすすめです。
まとめ
本記事では、タイ古式マッサージに興味がある方に向けて、基礎知識や施術の流れ、学び方、スクールの選び方などを紹介しました。
さまざまなスタイルがあるため、自分に合った学び方を選び、目標を達成するために必要な技術を身につけられるようにしていきましょう。