美容室の開業に必要な資格とは? 美容師免許と管理美容師資格を解説
美容師としてある程度実績を積んでいくと
「そろそろ自分のお店を持ち、独立しよう」
と考える方も多いことでしょう。
自分でお店を開くという事は、自らが掲げるコンセプトに沿って自由に運営が出来るということで、どの美容師でも一度は考える夢。
しかし、開業は単に経験や実績、資金さえあればできるというわけではありません。
今回は、開業にあたって必要な資格についてお伝えします。
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美容師が開業するために必要な2つの資格
美容室を開業するには、「美容師免許」と「管理美容師資格」が必要です。
以下でそれぞれ説明していきます。
美容師免許
自身も美容師として現場に立ち開業するためには、美容師免許が必要です。
美容師免許は美容師法に基づいた国家資格です。
厚生労働省指定の美容師養成施設(美容専門学校等)で所定の学科を習得し、実技試験と学科試験に合格すれば免許の取得が可能です。試験は年2回あります。
気になる合格率は、
- 春期が約60%
- 秋期が約80%
と国家資格の中では比較的取得しやすい資格です。
春期と秋期で差があるのは、秋期は美容専門学校からの受験が多いためです。
時期による難しさや受かりやすさはありませんが、美容専門学校では試験合格のための勉強を2年かけ無駄なく行うため、秋期のほうが合格率が高くなる傾向にあります。
知識と技術、そして取得するための条件さえクリアしていれば無理なく合格できる資格ですが、主に技術面において独学での取得はハードルが高いでしょう。
秋期のほうがしっかり学べるんだね
管理美容師資格
もし1人で美容室を開業するなら、開業に必要な資格は美容師免許のみで問題ありません。
しかし自分以外の美容師を雇う場合、管理美容師免許が必要です。
管理美容師免許を持つ美容師を管理美容師と呼びます。管理美容師は美容師法に基づき、サロンの衛生管理のため在籍させておく義務があります。
管理美容師の資格取得には、2つの条件があります。
- 美容師免許取得後3年の実務経験があること
- 各都道府県で実施している講習会を修了していること
「美容師免許取得後3年の実務経験があること」について気をつけておきたいのは、美容師免許がない状態でアシスタントなどを務めていた期間は含まれないという点です。
美容師免許を取得後、美容所として登録済の美容室に3年以上勤務することが条件です。
また、3年以上の経験を積んで管理美容師の資格を取得できるようになっても、国や学校からの通知は届かないので自分で把握しておく必要があります。
そのほか都道府県によって異なる場合もありますが、管理美容師についての講習会の内容は
- 公衆衛生についてが4時間
- 美容室の衛生管理についてが14時間
合計3日間の課程です。
講習は年に2回しか開催されません。
- POINT
-
「開業する準備は整ったのに、管理美容師の講習の日程まで日が空いて開業できない!」なんてことにならないよう、受講する場合は早めに日程を確認しスケジュール調整をしましょう。
美容室開業だけなら資格はいらない?
美容室の開業だけなら美容師資格は必要ありません。
経営者自身が資格を持っていなくても、保健所で開業の認可が下り、美容師を雇用すれば美容室として営業できるのです。
しかし2人以上の美容師を雇うなら、最低でもそのうち1人は管理美容師の資格が必要です。
- 経営者が美容師免許や管理美容師資格を持たない場合
-
雇っていた管理美容師が辞めてしまった場合のリスクが大きくなります。
また現場を知らない経営者と、現場に立つ美容師との認知のギャップにより円滑に営業できなくなる可能性もあります。
美容室の開業だけなら資格はいりませんが、資格が無いが故のリスクを考慮して開業の準備をしましょう。
リスクに備えておく必要があるね
美容師を雇うために必要な資格
自身も美容師として働き、なおかつ美容師を雇うために必要な資格は、前述した「管理美容師資格」です。
経営者となり、美容師を雇う立場にあったとしても管理美容師の存在は必要不可欠となります。
美容専門学校ではサロンワークについてはほとんど学べないため、美容師免許取得と同時に開業…というのはあまり現実的ではありません。
もし美容師免許を取得した直後に開業する場合は、管理美容師の資格を持てないまま営業することになります。
美容師免許を取得してから、3年以上の実務経験がないためです。
その場合美容師を雇いたいと思ったら、自身が管理美容師資格取得の条件を満たすまで3年待つか、別の管理美容師を雇う必要があります。
管理美容師を雇った場合、そのスタッフが退職したときのことも考えておきましょう。
- POINT
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- 美容師を雇うなら「管理美容師資格」が必要。
- 管理美容師資格を取得するには「3年以上の実務経験」が必要。
- 別の管理美容師を雇ってもよいが退職するリスクもある。
まとめ
美容室の開業に必要なのは美容師免許、
そしてお店の規模など必要に応じて管理美容師の資格が必要であることを解説しました。
美容師免許の合格率は他の国家資格と比較しても高く、美容専門学校などに通い真面目に勉強すれば難なく合格できます。
資格のことを紹介しましたが、開業の時に必要なのはむしろ、集客に適した立地選びや、お客様目線で、常にニーズに合ったサービスを提供し続ける経営手腕の方が重要かもしれません。
美容師資格を取得し、目指す方向性を決めたら、臆せずできる範囲から始めていきましょう。