美容室の経営はなぜ失敗する? 独立対策まとめ

美容室の経営

〜目次〜

  1. 1. 美容室の経営を失敗させないためには?
    1. 1-1. 資金力がないとどうなるのか?
    2. 1-2. 経営の知識が乏しいとどんな結末が待っているのか?
  2. 2. その他の美容室の経営が失敗している理由とは?
    1. 2-1. 宣伝広告費の資金が残っているか?
    2. 2-2. 独立開業したら税理士と契約する理由
  3. 3. 美容室の経営で赤字になる理由は?
    1. 3-1. 技術力を追求して、経営を追求していない
    2. 3-2. 多店舗展開のリスクをまずは知ること
  4. 4. 美容室の飽和状態
  5. 5. 美容室の経営で赤字になりにくい戦略法とは?
    1. 5-1. 美容室に行きたいけれど行けない人
    2. 5-2. 付加価値や利便性をプラスする
    3. 5-3. どのように固定客に育てるか
    4. 5-4. アナログに徹してみる

美容室の経営を失敗させないためには?

「そろそろ美容室の独立開業を考えている」そんな現役美容師の人には少し厳しい内容になるかもしれませんが、今の時代、独立開業すると失敗する確率が非常に高いです。「それでも夢だった自分のお店を持ちたい!」と強い意志がある人。では、美容室経営を失敗しないためにどうすれば良いと思いますか?
独立開業したてのオーナーが失敗する理由の中で1番目の要因は「資金力がない」こと、2番目は「経営の知識が乏しいから」といわれています。

資金力がないとどうなるのか?

美容室を独立開業した後には、運営するための固定費などが容赦なく発生するので、資金力がないと運転資金が手元に残らず、自分の給与も支払えず、1年以内に60%以上の美容室が破綻しているといわれています。そして3年以内では90%の美容室が廃業してしまうという結果を招いてしまうのです。

美容室をオープンしたからといって、お客様は最初の2、3回は来店してくれるかもしれませんが、安定して再来店してくれるケースはほとんどあり得ないのです。「自分は今の美容室で指名客をたくさん持っているし、再来してくれるから大丈夫!」と自信を思って独立開業する人がいますが大抵の人はうまくいきません。なぜなら独立開業して美容室の経営をスタートした場合、1年目が赤字になる確率は90%だといわれているからです。もし、1年目から黒字になる事業計画を立てているようでは資金計画が間違えていると思ってください。結果、融資を受けて独立開業をしても経営スキル・経営ノウハウがないと失敗します。1度大きな借金を背負ってしまうと再起しにくいのが美容業界の経営形態なので、融資を返済できない状態だと自己破産をするか、もし長期で返済したとしても、次にまた美容室を開業しようとしても資金の融資を受けにくい厳しい現状となります。

経営の知識が乏しいとどんな結末が待っているのか?

ところであなたは現在、どれくらい経営に関する勉強をしていますか? 現場で働く美容師時代の能力と、美容室の経営者では全く違った能力を求められます。美容室の経営者になるのに経営の勉強を一切しないで独立開業してしまう人が多いのがこの業界の特徴でもあります。中には経営に関して多少の勉強をしている人もいるでしょうが、それはSNSや美容雑誌などで特集されている有名美容室や人気美容師の経営の仕組み、ノウハウ、情報を「見ているだけ」なのです。

そもそも、そのような有名美容室や人気美容師は全国で約24万店舗の美容室が存在している中でも、一部の特殊な美容室ですから部分的にマネしたとしても到底自分の美容室では再現できないと思ってください。それよりも、自分のお店のコンセプトは? ブランディングは? 出店地域にマッチしているのか? など、感覚ではなく数字で説明できなければなりません。

したがって、美容師時代にしっかりと売上、経費、人材育成などを意識しておくことが大切になります。これを独立開業前に学ぼうとしていないため失敗するリスクが高くなってしまいます。美容室を経営して利益を出したいと考えているのであれば「経営者になってから学んでいこう」これでは遅いのです。失敗させないためにもスタッフとして現場で働いているうちに積極的に経営スキル・経営ノウハウの知識を必ず学んでおくべきです。そして、1番最初のお店は初期投資を最小限に抑えて、小さな成功をさせる必要があるのです。1店舗目の美容室経営が失敗してしまったケースでは再起することが非常に厳しく、失敗すると悲惨な人生が待っているということになります。

美容室の経営

その他の美容室の経営が失敗している理由とは?

美容室の独立開業のゴールは、美容室が完成した段階で終わりではないということを理解している前提で話しを進めます。それでは次の課題は何かというと「この先、どうやって美容室を継続していくか?」です。

宣伝広告費の資金が残っているか?

最低でもオープン1か月以上前に手元に宣伝広告費の資金が残っているかに重点を置きます。あなたが以前勤めていた美容室で指名ナンバーワンのトップスタイリストだったとしても、美容室がどこにオープンするのかを事前に宣伝広告をしておかなければ一向にお客様が増えていきません。そしてここから新規のお客様を増やしていくための宣伝広告も必要になります。新規のお客様は、あなたのオープンする美容室が今まで通っていた美容室以上の「何か特別な魅力」がない限り、わざわざあなたの美容室に移ろうと思う気持ちには繋がらないでしょう。

これはよくあるパターンですが、内装にこだわり過ぎて内装費に多額のお金がかかってしまい、オープンしたときは既に手元に宣伝広告費がない。これではこの先どうやって新規集客をしていくのでしょうか? お金を使うところを間違えないようにしましょう。

独立開業したら税理士と契約する理由

また、資金がないからといって節約志向に走り、給与計算、経費処理、経理作業を自分でやってしまう経営者がいますが、これは違います。経営者の仕事は「売上をつくること」です。美容室に「お客様を呼ぶ仕組みを考える」「再来店してもらう仕組みをつくる」ことです。

なので、経営者は売上を上げることやお店の運営に集中できるように、独立開業したら税理士と契約することをおすすめします。給与・税金・保険・諸経費などの計算を自分でやる時間があるなら集客方法、再来戦略を考えるなど経営に集中できる体制をつくりましょう。

もし独立開業をしているのに、まだ税理士と契約をしていないという人は、信頼できる税理士を探すなり、紹介してもらうなりして契約をし、経理をお任せしましょう。そして独立開業した後も美容室の経営について不安があったり、資金繰りや経営戦略について相談に乗ってもらいたい人は税理士と顧問契約することをおすすめします。経理すべてを丸投げするのではなく税理士とは月に1度面談する日を設けましょう。顧問契約は高くても数万円の費用がかかりますが、毎月数字で提案をもらえるので経営の危機回避もできます。ちなみに成功している美容室の経営者は必ずといって良い程、毎月税理士と会って経営のアドバイスをもらっています。

美容室の経営で赤字になる理由は?

どのような業種であろうと経営とは簡単なものではありません。経営ノウハウ・お金についての知識・赤字の原因をしっかり分析することができないことには、どのような業種でも経営は厳しいです。

技術力を追求して、経営を追求していない

美容室にも赤字や経営難に陥るのには理由があります。実際に全国の90%以上の美容室が3年以内に赤字や経営難に陥ってしまうというデータがあります。特に美容師オーナーが陥りやすい赤字経営は「自分には技術力も提案力もあるから今までのお客様が来るから大丈夫!」という安易な考えで独立開業をした人です。もちろん美容室経営の中で技術力は基本であって技術力が高い美容室にはお客様が集まります。しかし、技術力を追求することはしても、経営を追求せず、集客のアイデアもなく、データの分析もできず、SNSやホームページの更新もできず、お金の計算もできない人は美容室を経営するにおいて致命的です。

実際に10年継続できるサロンはたった5%しかないという厳しい状況です。技術力だけで経営を安定させるのは非常に厳しくまず無理だと思っておいたほうが良いでしょう。美容室のオーナーが経営について本当にしっかり学んでいるのは5%くらいといわれている業界の中、「難しいから」とか「何とかなるだろう」と思って今まで経営の勉強に後回しにしていた人は、一度きちんと見直す時期だと思います。財務に対するスキルや経営知識を身につけることが、美容室の経営において最も重要なことであり成功への近道です。

多店舗展開のリスクをまずは知ること

少し先の話しかもしれませんが美容室の経営者の中には将来、多店舗展開をしたい人もいるでしょう。しかし、むやみに多店舗展開をするのは相当リスクが高いです。もちろん美容室の経営が軌道に乗って2店舗目、3店舗目を出店し、多くの利益を確保するのは正解といえますが、美容室経営は通常のビジネスと違い技術職であり物販ビジネスではありません。例えば、4人体制で回している美容室が無理をしてもう1店舗出店したとします。その新店にオーナーが異動してしまった場合、既存店はどうなるかというと、美容師が不在となり稼ぎ頭のオーナーの指名客も激減するので、結果的に経営難に陥ってしまいます。なのでこの場合、美容室の新店をオープンするのではなく「既存店舗での業務拡大」という方法に切り替えてみてはいかがでしょう。

例えば、あなたが3店舗の美容室を運営しているオーナーとします。あなたの雇用しているスタッフが総勢12名だとすると、1店舗で12名体制にする方が利益率は断然高くなります。現在3店舗~5店を店舗展開している美容室は、既に進んでいる新卒採用難や顧客の少子高齢化が重なり業績が伸びない傾向が多いので、今後多店舗展開を計画されている人はよく考えたほうが賢明と思います。

美容室の経営

美容室の飽和状態

ご存知でしたか? 現在、日本全国にある美容室の店舗数は約25万店舗存在しています。コンビニエンスストアも相当多いと感じますが、コンビニエンスストアは全国約5万5千店舗となっており、美容室の数はコンビニの店舗数の約4.5倍も多いという現実。それでもまだ増え続けているという美容室は年間約1万店舗も新規出店しているというから驚きです。

こんなに美容室が増えていくということは、需要も増えているのでは?と思われがちですが、美容業界の市場は毎年減少傾向にあります。原因は、進行を続ける少子高齢化により美容室を利用する若者の減少、新規参入で店舗過剰の常態化、低価格設定の美容室、値引きクーポンなどで、美容室は激しい過当競争にさらされています。そしてこの激しい過当競争の中、生き残れる美容室はどのくらいだと思いますか?

その生存率(廃業率といったほうが正しいかもしれません)は1年以内の閉店60%、3年以内の閉店90%、10年以内の閉店95%、そして20年以上続く美容室はたったの0.3%といわれています。美容室の閉店は過半数が個人企業で、従業員5人未満が全体の約9割を占めるなど小・零細規模がほとんどでした。このように美容業界の市場が少なくなっているのに対し、それでも美容室は増加していくため、美容室と美容室がお客様の取り合いになってしまい、競争はさらに激戦を極め、経営難に陥る美容室も増えています。

美容室の経営で赤字になりにくい戦略法とは?

これからの美容室経営に必要な考え方とは一体何でしょう。1番必要なのは今までの美容業界の「常識」をゼロから見直す発想の転換です。

・都心でハイセンスな場所にある豪華な店舗は必要なのか?
・多くのスタッフを抱え毎月店舗展開をするフランチャイズ型の経営は成功するのか?
・技術力の高い美容師という理由だけで美容室のオーナーに向いているのか?
・集客サイト・SNSを利用して広告をひたすら打ち、新規集客をする方法は正解なのか?

など、美容業界では「常識」と思われていた経営の成功方法を今のうちに大胆な発想で改革していく時期だと思います。

美容室に行きたいけれど行けない人

男性も女性もほとんどの人が、髪が伸びると理美容室を利用します。しかし少子高齢化による人口減少は止められないので、お客様の数も当然ながら減っていきます。また、高齢化によって、若い頃と同じようにファッションやヘアスタイルにお金や時間をかけられない人、老後のためにも今後は美容にお金をかけたくないと思うなどの理由から、今後ますます美容室に足を運ぶ人は減っていくでしょう。しかし今この高齢者に着目することで、美容室の経営を安定化させるヒントも浮かび上がってきます。

病院や施設などに入っている人、自宅にいても足が悪い、車の運転ができないなどで「美容室に行きたいけれど行けない」人を取り込む、訪問美容を行う美容室が少しずつ増えています。カラーをしたり、髪型を整えたり、洋服に気を遣うなど、身なりに関心を持つことは認知症予防に効果的であるという調査結果が、医師らが集うアンチエイジング医学協会などから発表されている情報などを積極的に利用し、これまで若い女性をメインターゲットとしていた形態やサービスを高齢者層にシフトすることにより、他の美容室との差別化が生まれると同時に、今後も増え続ける高齢者層の顧客を囲い込むことができるでしょう。

付加価値や利便性をプラスする

そして単なる美容室ではなく付加価値のある美容室にしていくという発想も重要となります。カットやカラーなどの定番施術以外でも美容室へ行きたくなる理由(付加価値や利便性)をプラスすることにより、集客力も利益率もアップしていくはずです。3か月周期で来店してくれる常連顧客が、週に1度定番メニュー以外の目的(定額メニュー・ヘッドスパ・前髪カット・トリートメント・ヘアアレンジ・店販購入のみ)で来店してくれるようになればサービス利用率も高くなります。

どのように固定客に育てるか

開店して数年経っても新規集客の開拓にしか力を入れないのは経営を好転させる結果にはなりません。新規集客の獲得には高い広告費が必要になりますし、単価が下がる割引クーポンなどを頻繁に出すことになります。割引クーポンがきっかけで新規集客が一時的に増えたとしても「どのように固定客に育てるか?」そして「固定客をいかにして自店から離さないようするのか?」を考え2回目、3回目の再来店につなげていかない限り、安定した美容室経営は難しいです。

そして、これはスタッフ管理についても同様のことが言えます。採用に関わる経費を最小限に抑え、スタッフの退職による顧客の減少を防ぐためにも、技術力と営業力のある美容師をいかに定着させることは経営の安定化につながります。

アナログに徹してアットホームなお店を作る戦略

今はシャンプーを完全自動で行うオートシャンプーやドライヤーの代わりに髪を乾かしてくれるオートドライもあり、未来的には人工知能を有するAIマシンが、カラーやカットも行うことが可能になるかも?ともいわれている時代なので、美容技術のデジタル化もどんどん進化しています。こうした時流に反して、小規模形態の美容室の経営にとっては、逆にアナログ化が有効な例もあります。前述の高齢者層や、美容室に施術以外の楽しみがあって来店する人もいます。例えば、お店のスタッフとの会話、優しい心遣い、ストレス解消を目的に美容室を利用する女性も少なくありません。効率や合理化を試みず、あえてアナログに徹してアットホームで温もりある人対人とのコニュニティーを美容室の強みにするのも戦略の一つといえます。



各種SNSはこちら