30歳で美容師独立! 開業前に知っておきたい最適な独立の年齢とポイント

たくさん並んだ紙飛行機に境界線が引いてある様子

美容師として経験を積んできて、技術や接客などを後輩にも教えられる立場になってくると、一度や二度は独立を考えたことがあるのではないでしょうか?
その年齢が30歳前後に集中しています。独立を考えた時点で、しておかなければならない事や、必須のポイントについて解説していきますので、参考にしてください。

▼ 目次[表示] ▲ 目次[非表示]

30歳を節目に独立を考える美容師が多数

考え事をして楽しそうな表情の女性

「将来、自分の店を持ちたい!」など、夢と希望を持って美容師になりました。しかし現実はかなり厳しいものがあり、挫折しそうになったことは何度もあります。
しかし気持ちを奮い立たせ頑張ってきた甲斐があって、これなら独立できるのかな?と思うときが、30歳前後なのかもしれません。この独立の裏側には自信が隠れています。

高校から専門学校、就職していろんなことを勉強し、練習もし、人一倍努力してやっとスタイリストになりました。指名をもらえるお客様がついて、信頼されるようになった頃と言うと、約10年。後輩をも指導できる立場になり、技術にも接客にも売上にも自信が持てるようになると、次のステップを意識し始めます。それが、30歳前後と言う年齢になってくるのでしょう。

経験と知識などで成長した自分に自信で満ち溢れて、自分ならこうするなどの自己の考え方が芽生え始めてきて、現状に対しての不満も感じ始めてしまいます。また、他業種と比べた時、給与水準が高い方ではない為に、将来に不安を感じ始め、自分で稼ごうと独立を意識し始めるのではないでしょうか。

ここでは、独立を考え始めた美容師が、これからすべきことについて解説していきます。

開業する前に知っておきたいポイント

電球のイラストでひらめきを表現した様子

サラリーマンにおいても、30歳位で転職を考えるタイミングの様です。それだけに、転職サイトや求人誌などが異状に増えました。人生をこれからどうしていくべきなのかを考えるタイミングなのかもしれませんね。当然、美容師も転職や独立など、これからの時代をどう生き抜くかを考える転換期なのかもしれません。

また、技術面をはじめ、お客様や同僚などからの信頼性や、自身の考え方などの確立など、独立開業においての条件が揃うタイミングでもあるのでしょう。

しかし、いくら条件が揃ったとしても独立する場合、立場は経営者になります。従業員ではなくなるので、それなりの責任が付きまといます。理念を基に、それなりの経営戦略をたて、実行していく行動力が試されます。独立においての、開業準備は入念にリサーチし、準備を怠らずに行わないとスタートできません。開業に当たり、資金繰りが最も重要な問題です。

自己資金に余裕があるのならば問題ありませんが、融資を受けるのであれば銀行をはじめとする金融機関の融資制度についても充分把握しておかなければなりません。美容室の開業後、安定した売上や経営になるのには、6ヶ月以上かかると言われています。融資を受けた開業資金も、内装工事費や備品の購入に充てられ、運営していく運転資金が不足すれば自己資金で賄う他ありません。余裕のある経営を行っていくには、売上の軌道を早く乗せて、収支のバランスを考え、安定した経営を志します。

1. 開業準備は3~5年前から始める

美容室の開業準備はもう既に始まっています。

  • 開業資金をどれくらい用意すればよいのか?
  • その内分けとして、自己資金はどれくらい用意できるのか?
  • 銀行などの金融機関から融資制度を受けるのか?
  • 金融機関はどこにするのか?
  • 日本政策金融公庫の場合は?(コラム記事:美容室開業の融資&資金調達について

日本制作金融公庫の場合、融資による資金調達する場合には、借入額の10分の1以上の自己資金が必要になります。出来れば、自己資金を3分の1以上あれば理想的です。融資金額が多ければ多いほど、月々の返済額も大きくなり、資金繰りに苦しめられそうです。今からこつこつと、自己資金率を上げる努力が必要です。理想は3~5年前からですが、最低でも1年前から始めましょう。

また、融資の場合には事業計画書の提出も求められます。事業計画書とはどのようなものなのかを今から知っておく必要があります。

2. 勤務経験5年以上で独立する人が多い

独立して起業するには、美容師としての経験や売上推移、人材育成など店を運営していくためのノウハウなどが求められます。融資を申し込むにあたり、勤務年数の規定はありませんが、日本政策金融公庫の場合、審査に於いて経験や技術力、経営ノウハウなども審査の対象になります。

店長を経験して、様々なノウハウを身につけ、勤続8~10年で独立する方が多いようです。融資の為だけでなく、十分な経験と知識を身につけることにより、オープン後の運営にも役に立ちます。多岐にわたり学ぶ姿勢が、美容師としての成長へと繋がり、経営者としての成長にもつながります。

3. 必要な開業資金と物件選定の重要性

夢の実現に向かって独立開業しても、1年以内に閉店してしまう店が約6割もあるのが現実です。独立の時、助成金や補助金などをうまく運用した店舗は、経営が5年は継続されると見られています。
起業に失敗してしまう主な要因として、

起業に失敗してしまう主な要因
  • 物件選び
  • 資金不足
  • 人材不足
  • 集客力不足

etc…

などが挙げられます。
美容室の運営を成功に導くのは、物件の選定と資金力の確保です。
物件選びは、お客様の集客だけでなく、スタッフの人材確保や、取引業者まで影響を及ぼします。その地域における店舗確保は、美容室が集客したいターゲット層や、その為の技術レベルの向上を目的とした人材の育成などにも影響が出てきます。

資金力の確保では、常に新しいメニュー開発や商材の導入など、資金力がないとチャレンジも出来ない状況に追い込まれます。当然、顧客に対してもサービスの低下につながり、失客にまで繋がってしまいます。

そうなると、店の運営が滞り、あっという間に閉店に追い込まれてしまいます。店のコンセプトを表現しなければならない店舗ですが、イメージとかけ離れてしまう事が多く見受けられます。コンセプトを表現できる店舗選びは重要なのです。また、そのコンセプトを表現し維持していくための資金力も継続的に必要とされます。

独立開業するまでに事前にしておきたいこと

PLANという文字と人のイラスト

融資の為に金融機関の方が見てもこれならと判断いただける計画をつくりましょう。具体策として、先ずは独立する時期や年齢などを明確にしておくことです。計画はずれてもかまいませんが、今の時点で明確にしておくことが重要になります。目標設定ですね。

目標が設定されることで、それまでに何をどのように身につけるかが決まってきます。お客様に満足していただく為のプロセスは現場でないと思いつきません。ここをこうするなどの具体策がサロンコンセプトになったりします。人は弱いもので、その時になったら考えるで成功したためしがありません。
今から入念な準備に取り掛かりましょう。
最低限の準備として、

開業までにすべきこと
  • 融資の相談
    資金準備、事業計画書の作成、その他必要書類の確認
  • 物件選び
    地域・地区の設定、不動産会社、広さ、予算など
  • 内装イメージ
    業者の選定、予算、美容機材、シャンプーブースのイメージ、フロアイメージなど
  • 保健所関係
    届出書、他
  • 集客のための宣伝広告
    ポータルサイト、SNS、タウン誌、チラシなど
  • 求人
    スタイリスト、アシスタント、コンシェルジュなど
  • 店舗管理
    コンセプト、理念、経営方針、就業規則、賃金規定、メニュー、予約システム、販促など

まだまだたくさん決めなければならないことがありますが、全て書き出して1つずつクリアしていかなければなりません。
またそれぞれに具体的なイメージを持てるかで、準備の進行状況が変わってきます。経営者には、「これで行こう」という決断力が必要です。

1. 独立や経営についても学んでおく

独立の形として、今ではいろいろな方法があります。

  • オリジナルサロン
  • フランチャイズ店に加盟
  • 運営受託型サロン
  • 面貸しサロン
  • 業務委託型サロン

など様々です。
開業で最も多いのが、オリジナルサロンですが、初期投資が大きく、雇用責任もあり、リスクも大きくなります。面貸しや業務委託の場合は、初期投資が少ない分リスクの軽減が出来ます。
経営者を志望するのであれば、スタイリストの目線ではなく、オーナーの目線に立ち経営者としての美容室運営のノウハウや知識、数字に関する売上管理、人材育成などは、今から学んでおかなければなりません。経営者として成果を出し続け、成功する道しるべは継続して黒字運営が出来ることだと思います。

2. サロンコンセプトとターゲットを明確にしておく

独立する上で考え、決断をしなければならないことはたくさんありますが、特に重要なのが、サロンコンセプトとターゲット層を決めておくことです。

サロンコンセプトとは
  • 何のための美容室なのか
  • どんなサービスを提供したいのか
  • 自分自身を含めスタッフたちとお店はどこへ向かうのか
  • どうなりたいのか

etc…

サロンコンセプトを決めることは美容室運営が成功していくプロセスになります。プロセスは自身の夢だけでなく、スタッフの夢も共有しながら具現化していくサロンづくりの核にもなります。
コンセプトは美容室のイメージだけでなく、テーマや接客の流れ、メニュー、教育方針など事業計画書の作成にも共有できる物です。

また、コンセプトはターゲットとする客層に見合ったものでなければなりません。ターゲット層をイメージすると明確になってくることが多くあります。そうすることで、コンセプトのもととなる内装イメージやメニュー構成、物件選び、美容室の方向性を示すいろいろな事柄や方法などの答えに自然と導かれることでしょう。ターゲット層のお客様に支持される美容室とは、お客様のニーズにこたえ、笑顔でお見送りができ、再度お客様にご利用していただけるような接客を継続出来る美容室のことではないでしょうか。他店との差別化を図る上でも、最も大切な真意を決めておきましょう。

3. 焦ることなくしっかり開業準備を行おう

準備をしていく中で、つい後回しにしてしまったり、人任せにしたり、避けたくなるような事柄が多いはずです。時には予期せぬ問題が発生したりもします。そこで、スケジュール表を作っておくと日時、時間の管理が出来ます。

スケジュール表があれば、いつまでに何をどのようにと決定事項も項目別に管理できます。不意の問題にも決断しなくてはならないのが経営者たるものです。
ご自身が管理しやすい方法で、スケジュールを組んでみましょう。そうすることで、焦らずに対応できるはずです。

事前の情報収集と知識の習得と決断力と、色々ありますが1つずつ落ち着いてクリアして行く事で、開業は成功します。お客様へのスタイリングと同じです。

まとめ

美容師として、これからどうなりたいのか、どうありたいのか、何をしたいのか。30歳前後で自分の人生を考えるタイミングなのかもしれませんね。
独立を検討している方は、今からやるべきことを整理してみましょう。

またスタイリストとオーナー、それぞれの目線で考えてみるといろいろな事が見えてくるはずです。
独立するなら、オーナー目線で物事を判断してみるとオーナーの気持ちも理解でき、スタッフ教育にも熱が入るのではないでしょうか。

今の自分自身に必要なものとして、情報・知識・売上管理・教育方法・技術レベル・経営学・宣伝・SNSなどたくさんあります。それらを学ぶ姿勢が人を寄せ付けるのではないでしょうか?

関連記事